Novelbrightのメッセージはまだまだ拡がり続ける! これまでにリリースされたアルバム『SKYWALK』、『「EN.」』、異例の2作レビュー!!

Novelbrightのメッセージはまだまだ拡がり続ける! これまでにリリースされたアルバム『SKYWALK』、『「EN.」』、異例の2作レビュー!!
2013年に大阪で結成された5人組ロックバンドNovelbright(ノーベルブライト)が熱い。彼らに大きな注目が集まったのは、今年7月から8月にかけて、全国5都市で開催された「崖っぷちどチクショー路上ライブTOURー~アコースティック CD リリースツアー~」だ。その模様がTwitterやTikTokなどで拡散されると、バンドの楽曲が各種ストリーミングチャートで次々に上位ランクイン。結果、先日開催された初のワンマンツアー「『EN.-アンピリオド-』RELEASE ONEMAN TOUR 2019」全5公演がソールドアウト。すでに年明けからはバンド最大キャパとなる東名阪クアトロツアーの開催も決まっている。以下のテキストでは、そんなNovelbrightの魅力を、2枚の全国流通盤ミニアルバム『SKYWALK』と『「EN.」』のレビューで紐解いた。決して一過性の「バズり」では終わらない、彼らの魅力が伝わればと思う。


『SKYWALK』

あらゆる世代やジャンルの垣根を超える「橋渡し」のような存在になれたら、という願いが込められたNovelbright初の全国流通盤アルバム。エレクトロな音色を取り入れながら、ギター、ベース、ドラムというベーシックなバンド編成で鳴らすロックサウンドは、ときに深遠に、ときに壮大に、様相を変えながら、煌めく命の躍動を描いていく。特筆すべきは、竹中雄大(Vo)の圧巻のボーカル。今夏、路上ライブで大きな注目を集めた彼らだが、その歌声に道行く人たちがふと足を止めた理由がよくわかる。ホイットニー・ヒューストンセリーヌ・ディオンのような海外のディーヴァに憧れているという雄大が繰り出すエネルギーに満ちたボーカルは、高ぶる感情をぶつけるようなハイトーンが真骨頂だが、低めの音域の歌もあり、その歌声はとても表情豊かだ。


収録されている全7曲は、「あなた」と共に50年先の未来まで幸せを探してゆきたいと願う“Walking with you”にはじまり、孤独と不安を振り払うように《救世主はきっと/すぐ側で待ってるよ》と鼓舞する“My Savior”、生まれてきた喜びを噛みしめ、《心から笑える日々》に想いを馳せる“We are calling you”など、同じ時代を生きる私たちの人生に寄り添うような楽曲たちだ。いつか必ず終わりが訪れる人生を俯瞰で捉え、その最期の日に「幸せだった」と言えるように。そんな意志を感じるNovelbrightの音楽は、リスナーの人生の伴走者であり、味方のような存在だと思う。
また、このバンドを語るとき、ボーカルの雄大が口笛の世界大会で優勝経験があることも外せないだろう。その経歴を生かして、文字通り世界レベルの美しい口笛を取り入れた“また明日”や“Count on me”といった楽曲も聴きどころだが、それを武器として全面に押し出すのではなく、表現の選択肢のひとつに過ぎないというスタンスを貫くあたりにも、彼らの底知れないポテンシャルを感じる。


『「EN.」』

『SKYWALK』から約1年ぶりとなる2ndミニアルバム。前進の意志を宿した力強い疾走感が強く打ち出された前作から一転、より緻密にアレンジが練り込まれた今作の楽曲からは、切なさや儚さといった繊細な感情も色濃く滲む。特に、ピアノやストリングスがドラマチックに彩るオープニングの3曲に息を呑んだ。家族にも近い存在との離別を思わせる“Revive”で幕を開けると、《君のいない時間を刻むだけ》と身を切るように歌い上げる“the Eternal oath”、遠く離れたお互いの幸せを願う“ふたつの影”など、それらは大きな喪失感をテーマにしながらも、決して悲しいだけでは終わらない。大切な思い出を抱きしめ、また明日も生き続けなければいけない、そんな私たちに寄り添うような曲の在り方がとてもNovelbrightらしいのだ。さらに、ファンキーなグルーヴで踊らせるダンスチューン“フォーリン・ヴィーナス”や、森の中を彷徨うような効果音とアイリッシュなインスト曲“parade -Я-”からなだれ込む自問自答のロックナンバー“Rain Dancer”、ライブでは「ずっと一緒にいられるように」という言葉を添える全編英語詞の“Heart voice”など、今作の新機軸となる楽曲からは、どんな音楽も貪欲に吸収しようとするバンドの意思も明確に伝わってくる。
Novelbrightの音楽を聴いていると、ふと登場人物がひとりだけで完結する曲がほとんどないことに気づく。僕と君、僕とあなたが歌われることが多いのだ。「あなた」と出会えたことで世界の色が変わり、明日を迎えることができる。ならば、自分もまた、「あなた」を救い、幸せを分けあえる存在になれたら、と。そんな想いを奥底に感じる。アルバム『「EN.」』を締めくくる“拝啓、親愛なる君へ”では、《今度は私があなたへ贈る幸せを》と歌われる。人は決してひとりでは生きていけないことを知っている彼らの音楽は、だからこそ聴き手の心を震わせ、捉えて離さないのだと思う。(秦理絵)

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