『コウノドリ』以来の共演となる綾野剛と星野源が警視庁・機動捜査隊の隊員として活躍する姿が描かれる『MIU404』。綾野演じる伊吹藍と星野演じる志摩一未、対照的なふたりのやり取りの絶妙さ、そしてカーアクションあり、全力疾走あり、格闘ありと最近の刑事ドラマには珍しいくらいのダイナミックな展開……と傑作の予感に大興奮で観たのだが、そのクライマックスで聞こえてきた“感電”に、その興奮の度合いはますます高まった。
“いぬのおまわりさん”をモチーフにしていたり、「サイレン」などのワードが織り込まれていたり……というのはもちろん今作が刑事ドラマだからだが、それと同時に「バディもの」であるドラマに合わせて相棒同士の関係にフォーカスしているところがポイントだろう。任務の特性上24時間ですべてケリをつけるためにスピーディに展開していくドラマのなかで、描ききれないふたりの心のやり取りを、米津玄師のエモーショナルなメロディと言葉が補完しているような印象も受ける。ホーンが高らかに鳴るファンキーでグルーヴィーなサウンドデザインも肉体的で力強い。
「愛し合うように喧嘩しよう」という言葉が聞き取れたが、“馬と鹿”同様、ドラマにしっかり寄り添いながら米津の新たなフェーズも感じさせる楽曲。ドラマとともにどう「成長」していくのか、毎週楽しみにしていたいと思う。(小川智宏)