ロッキング・オン最新号は、ビリー・アイリッシュ総力特集! 彼女がまた、時代を開く――待望の2ndアルバム『ハピアー・ザン・エヴァー』リリース直前、大きな変貌を遂げたビリーに迫る

ロッキング・オン最新号は、ビリー・アイリッシュ総力特集! 彼女がまた、時代を開く――待望の2ndアルバム『ハピアー・ザン・エヴァー』リリース直前、大きな変貌を遂げたビリーに迫る

「私の音楽はあれだけ重苦しいわけで、人の助けになっているようには聴こえないかもしれないけど、でも私に会うために徹夜で外に座ってる子たちと話して、助けになってるかどうか訊いてみてよ」


今年世界が最も期待するビリー・アイリッシュの2ndアルバム『ハピアー・ザン・エヴァー』がまもなく発売される!

「これまでで一番幸せ」というタイトルだが、そのアートワークでは、本物の涙を流し、その「幸せ」を苦痛の中から掴み取ろうとしていることを示唆している。しかも、彼女のアイデンティティですらあるネオン・グリーンの髪をプラチナ・ブロンドに染め、クールなストリート・ウェアはクラシック・ハリウッドとも言えるスタイルへ劇的な変貌を遂げた。それは自分に成功をもたらした過去をあっさり捨て、新章に入ったことを高らかに宣言しているようだ。

最新作には「ほぼ全曲に喜びがない」と発言し、1曲目”ゲッティング・オールダー”では《虐待されるのは私の意思ではなかった》《トラウマになったし/やりたくないことをやったから/怖くて言えなかった/でも今、それを打ち明けるときが来た》と歌う。なんと衝撃的な歌詞で、なんと強烈な幕開けなんだろうか。そこまで作ったとき、自分でも泣き出してしまったという。だけどそれは「真実だった」と。そこから幸せを、未来を、希望をいかに見出したんだろうか。

兄フィニアスのベッドルームで作ったデビュー・アルバム『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』では、彼女の見る悪夢をアートに変えたビリーだが、今作では、成功により広い世界で目撃した深い闇や悪夢と対峙しているのだと思う。しかも、先に発表された英VOGUEの表紙にも明らかだが、彼女はそれと自らをより曝け出すことで闘おうとしている。それが驚異的だ。

21世紀生まれで初の全米1位を獲得したその運命的な始まりから、革命的な現象を起こした世界ツアー。ロッキング・オンの対面取材時に会った際も、その使命を当然のように背負う姿はすでにアイコンにしか見えなかった。21世紀の救世主とか、Z世代を代表する声とか、最上級の形容で語りたくなる彼女だが、その後もグラミー賞では史上最年少で主要4部門を受賞するなど破格の才能であることを実証し続けた。

コロナ禍では、黒人差別に激怒し、当時の大統領を直球で批判するなどキャリアを終わらせかねない危険なメッセージをエモーショナルに、しかも思慮深く吐き出した。知れば知るほど彼女のリアルさと、いかに本物なのかが強調されるばかりだった。しかもドキュメンタリー映画から写真集まで発表し、大事なファンとコミュニケーションを取り続けた。そのルックスも曲も、ポップ・スターにふさわしい強靭さと普遍性と新しさを持ち合わせ、果てしなく自分らしくあり、その前世代にはなかった、21世紀生まれゆえの早急さと使命感、正義感まである奇跡的な存在。

今回の特集は本来、アルバムが全曲聴けるまで、または対面取材が取れるまで待つべきだったのかもしれない。しかし生まれる前の彼女の家族写真から最新語録をまとめるだけでも新作を読み解く十分すぎる素材がある。間違いなく地球は終わりに向かっている。しかしそれに立ち向かうビリーは進化し続け、闘い続けている。それが私たちの希望なのだと思える。心の準備を整え、ビリーの新章を、期待最大限にして待て! (中村明美)




ビリー・アイリッシュの特集は、現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

ロッキング・オン最新号は、ビリー・アイリッシュ総力特集! 彼女がまた、時代を開く――待望の2ndアルバム『ハピアー・ザン・エヴァー』リリース直前、大きな変貌を遂げたビリーに迫る - 『rockin'on』2021年8月号『rockin'on』2021年8月号

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