イギリスではすでに今年のデジタル・アルバムの販売数が昨年1年の実績を上回ったことが明らかになっている。
イギリス・レコード産業(BPI)という業界団体の発表によれば、イギリスでは2011年だけで2130万枚ものデジタル・アルバムの売上を記録していて、10ヶ月で昨年1年分の実績を超えることになったとオフィシャル・チャート・カンパニーが伝えている。また、BPIの調べでは全アルバム・フォーマットの売上に対するデジタル・アルバムの比率は26.2パーセントで、こちらも昨年17.5パーセントからの伸びを見せている。
特に今年の数字はコールドプレイの新作『マイロ・ザイロト』によって大きく跳ね上がったとされていて、リリースの第1週目にはデジタル・アルバムとして8万枚ものセールスを記録し、1週目のデジタル・リリースとしての記録も打ち立てることになった。また、『マイロ・ザイロト』の1週目の総売上のうちでもデジタル版が全体の40パーセントを占めることになった。
BPI代表のジェフ・テイラーは次のように語っている。「クリスマス商戦が本格的に始まる前にデジタル・アルバム市場でこれだけ心強い数字が出ますととても励みになりますよ。というのも、過去5年連続して、デジタル・アルバムのセールスについては1年の最後の週が最大の売上を記録してきたからで、この時期になると消費者のみなさんが音楽ギフトクーポンをクリスマスに使ったり、あるいは新しく揃えたアイポッドやタブレットやラップトップで合法のダウンロードを試みたりするものだからなんです」。
テイラーはさらにこう続けている。「2010年の最終週にデジタル・アルバムのセールスは80万枚という過去最高の記録を叩き出しました。違法サイトや景気後退などといった悪条件にもかかわらず、今年は初の100万枚台突破を目の当たりにするかもしれません。音楽ファンのみなさんはいまだかつてなかったほどさまざまな形で音楽を購入できるようになっていますし、これから年末にかけては刺激的な新作が目白押しとなっていますからね」。
なお、2011年のデジタル・アルバムのセールスの記録そのものについては、アデルの『21』がレディー・ガガの『モンスター』の2倍のセールスを記録し、2011年のトップだけでなく、デジタル・アルバム史上最高の記録を誇っている。そのほかにはリアーナの『ラウド』やジェシー・Jの『フー・アー・ユー』などがトップ10入りを果たしている。
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