ビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクの映画製作会社、アダムの意志を継いだ作品を世に

ビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクの映画製作会社、アダムの意志を継いだ作品を世に

今年の5月にがんとの闘病の末、他界したビースティ・ボーイズのMCAことアダム・ヤウクだが、かねてより映像方面に傾倒していて、バンドの映像プロジェクトをすべて担当していただけでなく、自身の制作会社まで立ち上げていたことはよく知られている。

その製作会社、オシロスコープ・ラボラトリーズがアダムの死後も順調にアダムの遺志を受け継いで事業を展開していると『ローリング・ストーン』誌が伝えている。アダムは生前、環境問題、文学、コメディ、そしてあらゆる種類の音楽への関心を映像制作事業に反映させていたが、それは今現在のオシロスコープにも受け継がれているとプロデューサーのマーク・マジッドソンは語っていて、それはオシロスコープと自身で製作を進めている作品『Samsara』はまさにそういう内容の作品になっているという。

この作品は世界各地のさまざまな文化圏における死と再生というテーマを、語りをまったく入れずに追ったドキュメンタリーとなっていて、「アダムの哲学とあるところでシンクロするところがある」とマジッドソンは説明している。ただ、今年の8月にはアダムと会社の共同創業者となっていた映画プロデューサーのデイヴィッド・フェンケルが辞任したため、マジッドソンも今回の作品に取り組みながら不安を感じないではなかったと語っている。ただ、残されたスタッフのエネルギーと熱意には感心したというマジッドソンはオシロスコープがむしろステップアップしたと語っていて、「今回の作品についてはオシロスコープと一緒にやって本当によかったと感謝しているんだよ」と心境を明らかにしている。

そんなスタッフとともに現在オシロスコープを引っ張っているダン・バーガーはアダムのヴィジョンが今でも会社を動かしていると語っている。

「ぼくたちは、本当に懐深く、まったく自由ですさまじい多様性をも許容する、そんなヴィジョンでもっていつも映画というものに接しているんです。古いことわざに頼っているようではオシロスコープを形容できませんが、オシロスコープの作品は観ればすぐにオシロスコープだとわかります」

オシロスコープではアダムの初監督作品となったアメリカの高校バスケットボールのドキュメンタリーとなった2008年の『Gunnin' for That No. 1 Spot』を第1品として、さまざまな映像作品を手がけていて、LCDサウンドシステムのラスト・ライヴのドキュメンタリーとなった『Shut Up and Play the Hits』や今年のカンヌ映画祭パルムドール賞受賞作『リアリティー』のアメリカでの配給なども手がけている。
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