イエスが70年代の代表作3作をまとめた全曲ライヴ・ツアーを敢行

イエスが70年代の代表作3作をまとめた全曲ライヴ・ツアーを敢行

現ラインナップで2008年以来、毎年ツアーを敢行しているイエスだが、今年は初めて全曲ライヴ・ツアーに乗り出すことを明らかにしている。

ここ2年ほどは2011年のアルバム『フライ・フロム・ヒア』のツアーを続けてきたバンドだが、今年の3月からは71年の『イエス・サード・アルバム』、72年の『危機』、そして77年の『究極』をすべて全曲披露するライヴをツアーとして敢行する。

ベースのクリス・スクワイアは1公演でのアルバム3枚の再現ライヴは前代未聞だという質問に、イエスにとってはたいしたことじゃないと『ローリング・ストーン』誌に説明していて、かつてアナログでリリースしたアルバムは大体内容的に40分程度で、「それをかける3は2時間程度のものだからイエスのライヴとしては決して長いとは言えるものじゃないよ。ぼくたちのお客さんはそこそこ長いライヴに慣れてるからね」と語っている。

また、特にこの3枚に絞った理由については次のように語っている。

「『イエス・サード・アルバム』はスティーヴ・ハウがメンバーになった初のアルバムなんだよね。それまで2枚アルバムを出していて、それが『イエス・ファースト・アルバム』と『時間と言葉』なんだけど、ここまではピーター・バンクスという違うギタリストとやってたんだよ。それが『イエス・サード・アルバム』からスティーヴ・ハウが加わって、この作品から初めてイエスは国際的に知られるバンドになったんだ。だから、いろんな人からみて、これがぼくたちがブレイクした作品なんだね。それと『危機』はアナログ盤の片面丸々全部、20分も続く曲を初めて試みた作品だったから、これもぼくたちにとっては大きな節目となる作品なんだよ。それと『究極』は初めてイギリスの外で制作したアルバムで、スイスのモントルーでレコーディングを行ったんだ。そのせいで、この作品独特の味があって、これもまたバンドにとって大きな節目となってるんだよ」

なお、演奏の順番としては『危機』で始まり、そこから『究極』、そして『イエス・サード・アルバム』で締め括る展開を考えていて、71年の『こわれもの』などは"フィッシュ"などテープを重ねた音源などもあり、ライヴではテープを絶対に使いたくないので再現は難しいと説明していている。ただ、アンコールで『こわれもの』収録曲を披露する可能性はあるとクリスはほのめかしている。

今後も似たような趣旨のツアーは考えられるのかという問いにクリスは、とりあえず、今回のツアーを終えたら新作制作に入る予定だとバンドの今後について答えている。

また、ロックンロール名誉の殿堂入りの可能性について訊かれるとクリスはイエスやキング・クリムゾンなどのプログレ・バンドはメンバーの入れ替えが激しいから選考的に難しいのではないかと指摘していて、特にイエスについては関わったメンバー全員が殿堂入りしなければ話を受けられないとしているので、おそらく無理だろうと語っている。なお、現在のラインナップはクリス、スティーヴ、ジェフリー・ダウンズ、アラン・ホワイト、そしてヴォーカルは2012年から加入しているジョン・デイヴィソンというものになっている。
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