カサビアンのサージ、ギター・ミュージックがかつてのような影響力を誇ることはもうないと語る
2013.03.26 22:15
カサビアンのサージ・ピッツォーノは音楽カルチャーの中でギター・ミュージックがかつてのように独占的な勢いを占めることはこれからはできないだろうと語っている。
カサビアンはロイヤル・アルバート・ホールで開催されているティーンエイジ・キャンサー・トラスト・ライヴのヘッドライナーを飾ったが、出番前に『NME』の取材に応え、現在の音楽のサウンドにおけるギター・バンドの役割について次のように語っている。
「バンドがもはや重要じゃなくなっているっていうことじゃないんだよね。ただ、リスナーがかつてのような反応はもうしていないということなんだよ」
「かつてのようにカルチャーを支配していくようなことは難しいし、もう不可能なんだろうと思うよ。今の音楽はあまりにも薄まっちゃってるし、アウトレットもたくさんありすぎるから、もうありえないんだと思うな」
さらにサージはこう説明している。
「たとえば、昔のように同じ音楽ヴィデオを繰り返しかける音楽チャンネルがひとつしかなかったような頃には、どうしてもニルヴァーナに行き当たることにもなったわけだよ。1日中毎日繰り返し流されてたからね。もちろん、ニルヴァーナはこれまで作られてきた音楽の中でも最もすごいもののひとつにもなるわけだけど、それと同時にすぐに触れられるという状況もあったんだ。今はね、いろんな選択を聴き手ができるわけでそれはすごくいいことなんだけど、却って難しくなっていくものもまたあるんだよ」
またサージはバンドの次回作について次のように語っている。
「今じゃぼくたちは巨大なフェスティヴァルで演奏することも多くて、6万とか7万人くらいが目の前で立ってるわけで、そのエネルギーっていうのも大きすぎて、それだけの人たちをひとつにして動かしていくだけの力を音楽の方にも必要とされるんだよ。ぼくはね、ラジオでどれだけの大ヒットを生み出せるかという心配をするよりかは、そういう人っていう側面に働きかけていくことにもっと興味があるんだ。それでマントラとか、反復性とか、低音の振動音とか、そういうものについてもっと考えてるところなんだよ。ものすごく力強く人を引き付けるところがあるからね」
さらにサージは『ヴェロキラプトル!』の次回作となる新作制作のため今年中にスタジオに入る可能性があるとも明らかにしている。
その一方でサージは自身がザ・ローリング・ストーンズのグラストンベリー・フェスティヴァル出演をすっぱ抜くこととなった経緯を次のように説明している。
「笑っちゃうよね、あれ。さもぼくがまるで誰も知らないインサイダー情報を握ってたような伝わり方で」とサージは笑って説明している。
「確かにぼくはああ言ったよ。でも、みんなも言ってたんだから。だから、もう誰でも知ってることだと思ってたんだよ。それでああなったのを他で読むことになってね。まるで誰かがそういう話を書きたくて、ぼくを利用して喋らせたようなところはあるよね。でも、誰も腹を立ててないとは思うよ。もし本当に問題だったんなら、今頃なんかしら連絡が入ってたはずだろうし」
カサビアンは6月29日にハード・ロック・コーリング・フェスティヴァルのヘッドライナー出演を予定していて、ほかにザ・クリブス、ポール・ウェラー、マイルス・ケイン、クラクソンズ、トライブス、コーダラインの出演も予定している。
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