ピンク・フロイドのニック・メイソン、再結成の準備ならいつでもできていると語る

ピンク・フロイドのニック・メイソン、再結成の準備ならいつでもできていると語る

ピンク・フロイドのニック・メイソンは、ピンク・フロイドの再結成を前向きに考えていることを明らかにしている。

ピンク・フロイドは昨年、2012年ロンドン・オリンピックの閉幕式典で再結成を果たすのではないかという噂も一部ではあったが、結局実現せず、85年のロジャー・ウォーターズの脱退以来、オリジナル・メンバーが集った再結成は05年のライヴ8での出演と、11年5月にロジャーのザ・ウォール・ツアー中のロンドンのO2公演での特別パフォーマンスの2度しか実現していない。

音楽ストリーミングの是非を議論するシンポジウムに出席したニックは、会場で『NME』の取材に答え、オリジナル・ラインナップでの再結成について準備はできていると語りながらも、ライヴ・エイドに匹敵するようなイヴェントでない限り実現はしないだろうと次のように語っている。

「ぼくはやる気あるよ。いつでも準備はできてるよ。荷づくりもして、ドラム・キットも用意して、スーツケースや洗顔キットとともに玄関に用意してあるくらいだよ、声がかかったらすぐに出られるようにね。でも、その声がかかるのを今か今かと待っているわけでもないんだ」

ただ、実現性についてはかなり低いと次のように説明している。
「ロジャーは自分のショーをやるので満足しているみたいだし、デイヴ(・ギルモア)についてはあんまりやりたくないんだと僕は思うけど。特にあのビジネス面全体を引き受けるのが嫌なんだろうね、やるとなったら巨大なプロジェクトになってしまうからね。デイヴは自分だけで活動するのが楽しいんだと僕は思うよ」

さらに一回きりのライヴとしては考えられないかと振られると「今はなさそうだけど、可能性ならある」と答え、「ライヴ・エイドに匹敵するようないい動機や理由」が必要だとも語った。

なお、ロジャーは先頃BBCとのインタヴューでかつてピンク・フロイドのメンバー相手の訴訟を起こしたのは間違いだったとも語ったことで話題を呼んでいる。ロジャーは1985年にピンク・フロイドは終わったと宣言して脱退したが、デイヴとニックがその後もピンク・フロイドとして活動を続けることを明らかにすると、バンド名の使用権をめぐってデイヴとニックに対して訴訟を起こすことになったが、今になってみると自分が間違っていたのがよくわかるとロジャーはBBCニュースのインタヴューで語った。なお、もともと訴訟を起こしたのはピンク・フロイドを続けること自体が間違っていると自分としては当時思っていたからだとロジャーは説明している。

また、バンドはストリーミング・サーヴィスやアイチューンズへの楽曲提供をめぐってレーベルのEMIと長い間にわたって訴訟でも争ってきたが、ここにきてスポティファイに楽曲を解禁した理由を次のように『NME』に語った。

「もう時代は戻せないということだよ。僕たちとしては自分たちの作品はアルバム全体をひとつの作品として聴いてもらいたいんだ。でも、ストリーミングというのが進歩の方向なんだろうと受け入れざるをえなくなったんだよ。これが未来なんだとね」

今年に入ってからピンク・フロイドは“あなたがここにいてほしい”をスポティファイで初めてストリーミング公開し、この曲のストリーミングが100万回を越えた時点で、バンドのカタログをすべてストリーミング公開した。

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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