物議を醸したイアン・カーティスのキッチンテーブルのオークション、約136万円で落札

物議を醸したイアン・カーティスのキッチンテーブルのオークション、約136万円で落札

1980年に自殺したジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスの自宅で使われていたキッチンテーブルがネット・オークションのeBayに出品され物議を醸していたが、その後最終的に落札されることになった。

イアンは80年5月に自宅のキッチンで首を吊って自殺したが、今回のテーブルはその現場にあったもので、元ジョイ・ディヴィジョンのメンバーで現行ニュー・オーダーの面々もこの出品への不快感を次のように表明していた。

「ジョイ・ディヴィジョンのオリジナル・メンバーであるバーナード・サムナーとスティーヴン・モリスは、デボラとナタリー・カーティスらによってかつて所有されていたテーブルがeBayでオークションに出品され、そのことがメディアで報じられていることで大きな不快感を強いられているとするデボラとナタリーへの支援を表明します」

さらに声明はイアンの元妻デボラと娘ナタリーの言い分も次のように伝えている。
「なお、デボラとナタリーは今回の売却には一切関わっていないことをあらためて表明しています。テーブルは1980年に家屋とともに売却されていて、ナタリーはいかなる書類についても署名などしていないとしています。また、二人は今回の個人的な物品の売却並びにその報道について、悪趣味なもので困惑していると訴えています」

その一方で売主のテル・ハロップは出品の際には商品の説明の記述などでイアンの自殺などに触れないようにも細心の注意を払ったと『NME』に語っている。
「出品の際にはいろんなことを書いてもよかったんだけど、それはしたくなかったんだよ。僕はキッチンにあったテーブルだから買ったわけではなくて、これがラウンジで使われてたものでも買ってたはずだからね。ちょっと普通とは違うものだから買っただけなんだ。レコードならみんなも持ってる、でも、僕はテーブルも持ってるっていう意味でね。このバンドはずっと長い間、僕の人生そのものだったからさ」

なお、ハロップの説明によれば、このテーブルはデボラによって家屋とともに隣人のドロシー・スミスに売却され、スミスはこの家屋をブレッド・アンド・ブレクファスト(民宿)として使っていたが、このキッチン・テーブルは一時スミスの娘が自身の自宅で使っていたという。その後、他のインテリアと合わなくなってきたので娘がテーブルを実家に戻したところ、ちょうどイアンの伝記映画『コントロール』の撮影でイアンの元自宅が使われ、テーブルも大道具として使われることが検討されていたが、結局は使われずに撮影後にオークションに出品され、ハロップがそれを競り落としたという。

ハロップはこのテーブルがキッチン・テーブルだったと知ったのはこの映画『コントロール』を通してのことだと説明していて、似たようなテーブルが置かれ、さらにイアンが首をくくった洗濯紐の位置にもあまりに近かったことに驚いたと語っている。

「その後、このテーブルが首をくくる時に使われたとまで言い出す人まで出てきて、これは事実ではないと思うんだけど、『どうしてそういう話になるのかな』と思ったよね。マスコミを信用しない人が多いのも本当にうなずけるよ」

さらにドロシーとナンシーが不快感を表明していることについては次のように語っている。
「なんて言ったらいいのかわからないよ。かといって、このテーブルをなかったことにするわけにもいかないし。世界中に報道されてしまったこのテーブルについての見出しを読んでいると本当に情けないし、それに対していろいろ言われていることについては不快感以外のなんでもないから。出品ページには自分の写真も掲載したからね、今じゃ『こいつを街で見かけたら……』っていう話にもなってるくらいなんだよ」

なお、今回ハロップがこのテーブルを手放すのは自身の音楽活動用の機材購入のためで、他にもジョイ・ディヴィジョン関連の品々を売りに出しているとか。

また、テーブルは最低落札価格として100ポンド(約1万6200円)つけられていたが、最終的に8400ポンド(約136万円)で落札された。

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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