今年のジャパン・ジャムにはダフ屋も場所取りもいませんでした。ズルい人間や勝手な人が得をするのではなく、ルールを守る人が最も幸せになるフェスを作る、それが僕たちのフェス革命です。

今年のジャパン・ジャムにはダフ屋も場所取りもいませんでした。ズルい人間や勝手な人が得をするのではなく、ルールを守る人が最も幸せになるフェスを作る、それが僕たちのフェス革命です。
幸せな5日間でした。今年のジャパン・ジャムの素晴らしさは、プロデューサーの僕が言うより、SNSに溢れる参加者の幸せな言葉と姿を見れば、感じていただけると思います。こんなにポジティブな発信で埋め尽くされるフェスは、長くフェスを作ってきた僕にとっても初めてかも知れません。
この5日間で強く思ったのは、フェスの快適さとは平等が守られることだ、ということでした。例えば、今年のジャパン・ジャムのチケットは申し込むのが簡単ではありませんでした。参加者の皆さんに例年より手間のかかる作業をお願いすることになりました。そうした意味では快適ではありませんでした。正直、券売の障害になるのではと不安でした。それでも結果はコロナ前の最大動員に迫る方々に参加していただけました。それは参加者の皆さんが、このチケット・システムによって不正な転売行為を防ぎたいという私たちのメッセージに共感してくださったからだと感じています。まさにフェスの平等です。
驚くほどの効果をあげ、ダフ屋行為は僕の見る限りありませんでした。朝の挨拶でも言いましたが、それはソールドアウトしていない公演だからという指摘もあるかも知れません。しかしソールドアウトしていない公演でもダフ屋は「割引あるよ」と言って現れます。そしてこれは言うまでもなく、これから作っていく私たちの新しいフェスの形の第一歩です。さしあたって今年のロック・イン・ジャパンで大きな威力を発揮していくと思います。
前方エリア抽選にも大きな支持をいただけました。前方のライブ・エリアの多幸感が格段に上がりました。ステージ上のアーティストと前方エリアの参加者との幸福なエンゲージメントがもたらすポジティブなグルーヴ、それはフェス全体に広がっていきました。これもフェスの平等がもたらしたものです。
ダフ屋と場所取りはフェスの逃れ難い悪のように言われてきました。私たちも20年、それと闘っていました。少しずつ成果をあげてきましたが、なかなかゴールは見えませんでした。本来、最も平等であるべきフェスにおいて、ズルさや勝手がまかり通ることへの怒りは参加者、運営に共通するものでした。しかしゴールが見えない闘いのゴールが、いきなり今年のジャパン・ジャムで見えてきました。
電子チケットの強化施策がもたらしたものです。それはコロナ対策をより確かなものにするための強化施策でした。しかしその強化施策はコロナ対策を確かなものにするだけでなく、フェス全体をより強化させる施策につながりました。コロナとの闘いは僕たちのフェスを強くしたのです。私たちはその強化施策により改良を加え、公式リセール不成立後の譲渡を可能にしました。最終ゴールではありませんが、かなり利便性は上がったと考えています。改良にはコストと時間がかかりますが、これからもトライし続けます。

ロック・イン・ジャパンでは入場の時間帯指定をさせていただきます。申し込みのハードルになりますが、ご理解いただけると嬉しいです。
何度もお伝えしていますが、蘇我スポーツ公園の収容力はとても大きいです。しかし蘇我駅の乗客処理能力はそれほど高くありません。フェス参加者が集中すると、その処理能力を超えてしまいます。できるだけたくさんの方に参加していただくために、分散来場をお願いさせていただきます。地元のご理解をいただき、フェスがこれからも円滑に開催されるために、是非ご協力お願いします。

毎年思いますが、ジャパン・ジャムからロック・イン・ジャパンまでは、あっという間です。夏はもうすぐです。今年のロック・イン・ジャパンには新しい感動と楽しさがあります。その手応えは十分です。皆さんの参加をお待ちしています。
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