前作アルバム『ムキシ』から約3年6ヶ月ぶり、待望の7thアルバム『レキシチ』完成。Awesome City Clubのatagiとソウルフルなボーカルの掛け合いを聴かせる“たぶんMaybe明治 feat. あ、たぎれんたろう”。カネコアヤノとの混声ボーカルのハーモニーも素晴らしい“マイ草履 feat. にゃん北朝時代”と、今回も華麗なレキシネームがつけられたゲスト陣の参加が見逃せない。打首獄門同好会が参加した“鬼の副長HIZIKATA feat. ぼく、獄門くん”を聴いて、笑わずにいられる人などいるだろうか。超絶ヘヴィなラウドロックから展開する《肘　肩　腰　膝》のリフレイン。これはもうライブでの動きが大いに楽しみ。藤原定家の虚しき日常にディスコビートで思いを馳せるグルーヴィーな“Let's FUJIWARA”も素晴らしい。そしてラストの“フェリーチェ・ベアト”では、歴史上で語られることのない市井の人々の姿に焦点が当たり思わずグッとくる。“ギガアイシテル”で鳥獣戯画をモチーフにして《キミのその落書きも　いつか誰かの宝物》と歌ったそのあたたかさ含め、今作も池田貴史の作詞が大いに冴え渡る。（杉浦美恵）

『ROCKIN'ON JAPAN』6月号より