『あたらしいともだち』というタイトルそのままの、ピュアでフレッシュな感覚が詰まった15thアルバム……いくらGOINGでも、15枚目が「ピュアでフレッシュ」って、本当に!?と思われるかもしれない。いや、本当なの！ 彼らと同世代だから、なんとなくだけどわかる。紆余曲折を経て、いちばん大事なものが見つかって、そこに向かって濁りなく、これからの人生を進み始める時期を、今の彼らは迎えているんじゃないかな。

今作は、バンドの運営もメンバー3人だけでやり始めてから、初めてのアルバムでもある。だけど、彼ららしさだけではなく、むしろたくさんの音楽や人の影響が聴こえてくる。そこが彼ららしい。収録されている2曲のプロデューサーとエンジニアを務めた曽我部恵一をはじめとして、彼らが尊敬し交流するミュージシャンたち、そして彼らの部屋に並んでいるレコードたちが目に浮かぶ。現実的、そして精神的な喧騒から抜け出し、何気ない日常や、頭の隅で考えていることを、逃さず掬い上げたような全10曲。友達を探しに、外への一歩、明日への一歩を踏み出したくなるはずだ。（高橋美穂）

『ROCKIN'ON JAPAN』6月号より