2年ぶりのツアーであり、デビュー10周年のお祝いでもあった「BLUE PLANET ORCHESTRA」から、1月に国立代々木競技場第一体育館で開催された公演を収録。宇宙船で飛び立つと、序曲“BLUE PLANET”から、“幻の命”を皮切りに時系列を追って代表曲が演奏されていくという、贅沢な時間旅行が繰り広げられる。しかも、フルオーケストラを背負って！ もう、このステージを体感したら、ほかのライブどころか、数多くのエンターテインメントが味気なく感じてしまうんじゃないかと思うぐらい、凝りに凝ったパフォーマンスが展開されている。と同時に、演出やオーケストラに寄りかかりすぎることなく、メンバー4人がプロフェッショナルに努めていることも伝わってくるのだ。すごく幸せそうに、オーディエンス一人ひとりを見つめながら。それに対してオーディエンスも、手や光をかざして共にエンターテインメントを作り上げ、笑顔と涙を輝かせている。セカオワの偉業、もっと言えばエンターテインメントの真の価値を体験していないすべての人に突きつけたい。この尊さが目に入らぬか、と。（高橋美穂）

『ROCKIN'ON JAPAN』9月号より