現在のシーンにおいて……いや、違う、デビューした2011年からずっと異端中の異端でありながら、2017年の5thアルバム『Q』あたりからライブの動員が目に見えて上がり始め、音楽性もキャラクターも「フェスに呼ばれやすい感じ」とは逆なのに各地からひっぱりだこになり、日本武道館をフルハウスにし、このニューアルバムのリリース後に開催される東京ガーデンシアターも埋まるだろうから、次はアリーナ規模に拡大するしかないところまで来ている。
女王蜂のそのステップアップの仕方が素晴らしいと思うのは、「拓かれた」とか「ポップになった」とかではなく、どんどん濃く、どんどん唯我独尊になることで、「一生離れません」みたいな熱狂的なファンを増やし続けて、現在に至っていることだ。本作もその極みで、和楽器を導入するなど「これバンド?」みたいなところにまで来ている。歌詞も容赦ない、自信満々に吹っ切れていて、聴いていると「えっ今なんて言った?」と、何度も資料を見直したくなる。これにハマったら他のバンドが聴けなくなるレベルの危険物。売れると思う。(兵庫慎司)
(『ROCKIN'ON JAPAN』3月号より)
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