昨年5年ぶりの活動再開を果たしたスターセイラーが、本格的カムバックを前にリリースする初のベスト盤が本作。2000年代初頭、ガレージ・リヴァイヴァル吹き荒れる中で登場し、ファスト&ロウなガレージの流れを逆行するかのように、圧倒的なソングライティング力とジェイムス・ウォルシュの歌唱力に支えられた骨太ソウル・ロックを鳴らして大ブレイクを果たした彼ら。“グッド・ソウルズ”から“フィーヴァー”、“サイレンス・イズ・イージー”から“フォー・トゥ・ザ・フロアー”といった当時のアンセムが次々飛び出す本作を聴いていても、「懐かしい！」とか、「あの時代が蘇ってくる」とかいう感覚が全く湧かないのが面白いところだ。当時から彼らは若気の至り的な部分が一切なくタイムレスな存在だったと言うか、時代性に左右されない盤石の根っこのようなものがあったバンドで、それが2015年の地面にも変わらず根を張っているのが感じられるのだ。もうひとつ驚くのが、本作に際して新たに書き下ろされた新曲2曲もまた、過去曲と一切のギャップがないこと。5年というブランクも、彼らにとっては些細な歳月だったのかも。（粉川しの）