「言いたいことありすぎ音楽」
ファッションデザイナーやペインター等と一緒に活動していたりして総合芸術的な表現を目指しているとか、ポストロック的な音像だとか、インストもあるとか、残響時代の作品には無音の曲もあるとか(曲なのか?)、もういろんなフックや切り口のあるバンドだが、僕の耳にもっとも強くひっかかったのはそこだった。どの曲も歌詞長いし。詞というより散文に近い、「理解するのではなくて感じてください」みたいな曖昧さ、皆無だし。サウンドプロダクトも、実験性に満ちていながら「歌のじゃまをしない」という点で一貫している。メロディと言葉のマッチングがいいし、そのメロディとサウンドの関わり方もいいし、そのサウンドが生々しい音なのもいい。そして、これは始まりで、この先いかようにでも進んでいけそうな可能性を感じさせるところが何よりもいい。期待。(兵庫慎司)