『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
約1年半前に「旅」をテーマにした『優游涵泳回遊録』をリリースしたフレデリックが選んだ今作のテーマは「街」。毎日外に出るのが楽しみになるような好奇心に満ち溢れた要素と、ダークな感情にも寄り添い優しく包み込むような、自由で居心地のいい空間が共存する理想の街である。爽やかで疾走感のあるポップなサウンドを響かせる1曲目の“CYAN”では、《難解だってぶつかったって/何回も青に染まってこうぜ》と未来に向かって一直線に突き進める勇気をくれる。“ひとときのラズベリー”では、不安定なメロディラインや転調の多いサビが、降り続く雨の中に太陽の光が差し込み《晴れる兆し》が見え始めた天気のように、やり場のない想いに街全体で寄り添うようなぬくもりを感じさせ、最後の曲“ペパーミントガム”では、《一層 一層 輝いた 街の明かりよ》と人々の心や街全体に明かりを灯す。彼らが音楽で創った街は、多様な個性も価値観も、すべてを愛してくれる居場所であり続けるだろう。(伊五澤紗花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年1月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』1月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。