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TVアニメ『SAKAMOTO DAYS』EDテーマ。元殺し屋が個人商店を営みながら平和な日々を送っているのに、刺客が次々襲いかかって巻き起こる波乱を描く同作を踏まえたこの曲は、主人公・坂本太郎の妻、葵の視点で描かれている。いくら平穏な暮らしに溶け込もうとしても、裏稼業の世界で生きてきた人物の感覚は、どこかズレたものとなるほかない。そんな夫を理解してあげられる人でありたいと願う姿を、この曲はキレのよい3ピースバンドのサウンドで伝えるが、フィクションを彩るだけのものとして捉えるリスナーは、あまりいないのでは? あるがままを受け止めたいと思える誰かとの出会いは、無償の愛を注ぐ人自身も幸せにする。それはパートナーとの関係性の理想形と言っても過言ではない。普遍的なテーマともシンクロできるアニソンは、作品の楽しさを加速すると同時に幅広いリスナーの心を動かせる音楽と化す。まさしくそれを形にできた“普通”は、着々と活躍の場を広げているこのバンドの追い風となりそうだ。(田中大)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より抜粋)
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