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ファンにいわゆるグレーゾーンがいない、全員「真っ黒」なコアファン、という状態で、日本武道館2デイズ、そして代々木競技場 第一体育館の規模まで突き進んできた女王蜂にとっての分岐点だと思う、本作は。女王蜂の世界に身を捧げること、女王蜂の表現と全身全霊で向き合うことが必要だし、そうすることでしか得られない喜びがある──これまでの女王蜂の音楽作品が、そういう聴き方をすべきものだったとすると、本作は違う。おそらく女王蜂をよく知らない人でも、身構えずにパッとその世界に入っていける。どう聴いても女王蜂だし、どう聴いてもアヴちゃんなのに。つまり「薄くなってわかりやすくなった」のではなく「濃いことがわかりやすくなった」のだ。アニメや映画のタイアップ曲を聴いた時点で、そのようないい予感があったが、アルバムまるごとそうだった。売れちゃう。もう売れてるじゃん。いや、もっともっと。昨年はアヴちゃんの体調不良でツアーが中止になったのに、その間にこんな圧倒的なものを作っていたのか。(兵庫慎司)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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