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今年の頭、アルバム『Dungeon』のツアーファイナルの恵比寿LIQUIDROOMでも満員の観客を前に披露された新曲が待望の音源化。時代のムードを捉えながら、同時に新しいビジョンを提示するという点で、今のmuqueが覚醒状態にあることを証明する1曲だ。トラックメイク/アレンジのtakachiは常々、時代性を捉えた楽曲を作ることを信条として語るが、彼らはもはや「時代にフィットする」というレベルにいない。今のmuqueは完全に「未来を連れてくるバンド」になっている。煌びやかなシンセがインパクト大で響く中、頭の中お花畑なファンタジーに埋没する連中に冷や水をぶっかけるように強烈に主張する大胆で猥雑なベースとビート。Asakuraの歌は見事すぎて「え?」と二度見を要するほどの滑らかさで、世界への居心地の悪さと「自分が自分であること」への覚悟を発露する。「このロクでもなさと愛に満ちた世界で、一緒に朝まで踊り明かそうぜ!」と同胞たちに呼びかける狂騒のアンセム。私たちの愛と混乱と未来に、チアーズ!(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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