これは誰かの人生を変える音楽の重厚感

SATOH『WORLD END LOVESONG』
発売中
EP
現代ロックの新たなサウンドプロダクションを切り拓き続けているLinna Figg(Vo)とKyazm(G)のふたり組。1曲目“Supersonic”より、何もかも振り払うくらいの勢いから多幸感へと向かっていく音像が涙腺を緩ませてくる。人生の刹那を歌った“Supersonic”のあと、“マイル feat. Gotch”で《このまま死んじゃったらどうしよう》と続けるが、Gotch先輩が《うるせぇ》とケツを蹴ってくれる。最後は《おれはここじゃないどこかで死にたい》と繰り返す。世界が、人生が、いつ終わるかわからないから誰とどこでどう生きるかを考える──そんなテーマがEP全体に通っている。インタビューでLinnaはいつも自分の心と口から出る言葉がかけ離れていないかを自分で確かめるようにして話してくれるのだが、歌詞の中でも嘘をつかない。かっこつけることもしない。ゆえに音楽にウェルカムな空気を感じさせ、聴き手との距離が近い。その魅力がどんどん研ぎ澄まされているように思う。合唱も感情も爆発するライブの景色が目に浮かぶ。(矢島由佳子)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年10月号より)


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