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TVアニメ『ONE PIECE』エンディング主題歌“The 1”が多くのリスナーに届いたmuque。その次の一手となる新曲が“Level up”だ。“The 1”がドラムンベースの躍動で聴き手の心を強火で熱する曲だとしたら、“Level up”はどっしりとしたハウスの4つ打ちにしゃなりと響く和メロをまとい、低温熟成でじわじわ攻め立ててくる曲。サウンド面でも存分に「Level up」を示しているけれど、真価はそこだけじゃない。《恥は誰の定義だ》という問いに続く《僕が僕で居たいから》というセルフラブのメッセージは、メタ認知が強くネガティブに傾きがちなAsakuraのマインド、ひいてはバンドとしての覚悟の「Level up」でもある。曲中にはAsakuraのルーツであるマイ・ケミカル・ロマンスとELLEGARDENの曲名が出てくるけれど、muqueのリスナーにとってはこの“Level up”こそが《夢を掴》むための一歩をあと押しする応援歌になるはず。ダウナーな自意識を掘り下げた先にあるスピリットはマグマのように熱い、まさにmuqueというバンドを体現した楽曲だ。(畑雄介)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年10月号より)
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