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表情、声色、動作……人から発せられるさまざまな要素をヒントに、直接は聞きづらい本音を汲み取ろうとする。《おやすみの温度で分かってた/別れようを言い出せないこと》──時には知りたくないことも、たったひと言から感じ取ってしまう。今作にはそんな日常の機微が、体温を帯びて丁寧に描かれている。曖昧な温度感や情景からこんなにも多くの気持ちを受け取っているのだと、歌詞に共感しながら気づかされた。またその詞世界をより立体的にする音像への進化・こだわりも感じ、シーンが絵となり飛び込んでくる。自身初のフィーチャリングソング“どうにかなればいいのに(feat.クボタカイ)”では、グルーヴィーなサウンドに男声も加わることで、未練を抱えた男女の行動と本音のチグハグをリアルに投影する。最後“RUN”では《わたしは今書き残したいのです/答え探すために/わたしは今立ち止まれないんだ》とヒントを手がかりに今を生きることを歌い締める。「答え」を提示するのではなく、日々の些細な「ヒント」の交差を映し添えるカネヨリの空気感に魅了された。(成瀬諒花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年4月号より)
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