Base Ball Bearがかつて何度も歌ってきた”プール“の風景はどれも享楽性から距離を置いた静謐なイメージを持つものだった。《月が浮かぶ深夜のプール》(「真…
「北千住駅のプラットホーム 銀色の改札 思い出話と 想い出ふかし」 ―あいみょん『ハルノヒ』より 「頬を刺す朝の山手通り 煙草の空き箱を捨てる」 ―椎名林檎…
「天使」という言葉を聞いて、何が思い浮かぶだろうか。いわゆる「羽の生えた子供のような姿」を思い浮かべる人が多いであろう一方で、ある人にとってそれは愛…
無精な私に、随時あたらしく音楽を教えてくれるガールフレンドがいる。 彼女は「夏の匂いがするね」なんて、私が照れて言えないからエッセイに書いているよう…
春から夏になった。 季節の移り変わりにも鈍感になってしまった生活の中で、2021年にも春があって夏が来たことを知らせてくれたのは、A_o の『BLUE SOULS』だ…
大学4回生の冬、僕はニューヨークへ向かうノースウエスト航空の機内にいた。 初めての海外。雲のはざまに見える異国の街並みを眺めながら、緊張を隠せない…
かつて私たちは誰もが“ファンタジーの世界の住人”だった。 かつてというのはコロナ禍以前のこと。好きなだけ大勢で集まって、好きなだけしゃべって、くだら…
配信されたライブ映像の冒頭、「#0」と書かれた拡声器をひび割れたコンクリートの上から拾い上げ、煙の立ち昇るモノクロームの画面のなかを横切ったのはこのバ…
歌手として活躍する声優は実に多い。先日CDデビュー4周年を迎えた斉藤壮馬もまた、その中の一人だ。加えて彼はシンガーのみならず、ソングライターの顔も併せ…
日本語で会話をするとき、私たちは発言の語尾を変化させることによって、自分の伝えようとするところを微妙に調節しながら、相手とのコミュニケーションを図…
紫色。赤色と青色を混ぜた色。光の波長が最も短い色。ブドウの色。ラベンダーの色。 アメジストの色。十人の言葉を同時に聞き分けたとか言われている人が制定…
「何気ない日常をありのままに歌う」といった言葉でカネコアヤノの音楽が形容されているのを目にすると、何となく首を傾げたい気持ちになる。確かに彼女の音…
BUMP OF CHICKEN の『なないろ』を聴いて、気になったのは「水たまり」のことだった。 <昨夜の雨の事なんか 覚えていないようなお日様を 昨夜出来た水た…
秋山黄色のアルバム『FIZZY POP SYNDROME』の中に「ゴミステーションブルース」という曲がある。このアルバムの中で1番古い曲だ。 〈行け 不燃ゴミ〉 〈俺以…
2021年、春。出会いと別れの季節と言われる春はその言葉とは裏腹に、去年に引き続いて人と人とが出逢うことが憚られた。 春休み、卒業旅行、卒業式、入社式、…
ザ・ブルーハーツに「年をとろう」という曲がある。 《年をとろう 風のように軽やかに そして楽しいことをしよう》 真島昌利によるこの楽曲のよう…
それはわずか145日の誤差だった。「名前だけは知っていました。」と悔悟の情を抱えずに済んだのは偶然でしかなかった。 初めて聴いた曲は『ワンミーツハー』…
僕は間に合わなかった。 赤い公園のことを知ったのはいつだっただろうか。音楽を聴くことが多くなってから名前は何度か耳にしていたが、赤い公園の曲を聴く…
秋山黄色の快進撃が止まらない。昨年12月25日に映画『えんとつ町のプペル』の劇中挿入歌「夢の礫」をリリースしたばかりだが、1月27日には『約束のネバーラン…
アヴちゃんが発した、 <宿る>という三文字の肉声で、スイッチが切り替わった。 女王蜂が、2021年1月27日にリリースしたシングル『夜天』。 この曲の始まり…
その時、生まれて初めてこの光景を言葉にするのが「億劫」だと思った。 一面に桜が咲き、老いて命の短い猫が私の母に抱かれ、私は写真を撮っている。 「いく…
「スガ シカオとエレファントカシマシのファンだ」と言うと、「嘘だ!」と言われる事が多い。 どこかシニカルで冷めた目線が売りのスガ シカオと、まっすぐで…
単音のギターと小出祐介の声が長く長く伸びていく。 それはまるで深呼吸をしているかのようだ。 新しい空気をゆっくり吸って、体の中にあるものをゆっくり吐い…
ふと気づいたら、世の中はもう12月になっていた。 商業施設に入れば延々とクリスマスソングが流れているし、テレビも大型特番が増え、その途中で流れるCMも、…
ザ・クロマニヨンズのデビューシングル「タリホー」は、ジャケットカバーに彼らのマスコットキャラクターである高橋ヨシオの顔が大きくデザインされている。…
a flood of circle(以下「フラッド」)の『2020』を聴いて、ぶっ飛ばされた。 このアルバムが、今年の鬱憤を根こそぎ晴らしてくれた。 まるでライブが始まる…
もうすぐ2020年が終わる。未知なる脅威の存在により世界が一変した年。 生活様式は変わり、多くの人が傷つき、疲れ果てた。 何か情報に触れようとすると、瞬…
クリープハイプ 30歳になった私が、クリープハイプの音楽に出会ってから7年ほどになる。社会人2年目、23歳。友人に勧められて聴いた『蜂蜜と風呂場』が出逢い…
2020年も終わりに近づいてきた。 とりわけジョン・レノンという人にとって、このディケイドは必ず何かしらの節目に当たる。2020年の今年は「生誕80周年」「ビ…
クラシック音楽の事務所でアーティストマネージャーをやっている。 日本におけるクラシックのマーケットは、明治以降潜在的に備わってきた西洋文化への敬意と…
先日、syrup16g の YouTubeチャンネルが開設された。 そこに一番最初に公開された映像は、『負け犬』の MV だった。 『負け犬』は、2001年にリリースされた s…
9月5日、ストレイテナーが久々にライブを行った。 チケット完売、満員御礼のライブハウスで……、というわけにはいかないので配信ライブである。 今回の配信ラ…
東京は、その場所がどこにあるとか、日本の首都だからとか、情報の発信地だからとかそういうことではなく、とにかく特殊な場所だ。ギラギラした目で信号を睨…
『パンドーラーがその箱を開くと、中に入っていた病気、貧困、嫉妬などの災厄が飛び出した。こうして世界中の人々が災厄に苦しめられることとなった』 俗に…
「薄い氷を割らないように 下を向いて歩く僕は 簡単に虹を見落とした 迷わずにすむ道もあった どこにでも行ける自由を 失う方がもっと怖かった」 【虹】 何にで…
「FUJI ROCK FESTIVAL ’20 」の私のベストアクトはサンボマスターだった。 今年のフジロックは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、来年の8月に延…
「エレファントカシマシ 男シリーズ」というプレイリストを作って聴いている。 同じ事をやった事のあるファンも多いのではないだろうか。 エレファントカシ…
音楽は季節を記憶する。 春に聴き込んだ曲は何年経とうとその曲を再生した瞬間、春特有の柔らかな陽だまりの匂いや桜の薄桃色の視界がフラッシュバックするも…
米津玄師によるフルアルバム「STRAY SHEEP」は、その名を日本中、いや世界中に轟かすこととなった2018・2019年を経て、ヒット作を多く含んだオムニバス的な…
「よりによってミネアポリスから」と言う言葉が頭をよぎった。発行日が1985年4月21日となっているCBS・ソニー出版の『プリンス(著:ジョン・ブリーム)』に記…
第一印象は「意外」だった。SEKAI NO OWARI「umbrella」は傘を擬人化した歌詞が綴られている。ファンタジーな世界がお得意のセカオワはとっくにいろいろなモノ…
右隣が空席だった。 狂おしいほど望んでも手に入らないチケット。全霊を捧げて取ったはずの公式トレード席。 よほどの事情があったのか。 とうとう右隣は空席…
星野源、ソロデビュー10周年。 この言葉に思わず胸が熱くなったのは、私だけではないはずだ。 というか、そんな人が世の中には沢山溢れているのだと思う。 そ…
そよ風。つむじ風。北風。南風。強風。暴風。ビル風。潮風。追い風。逆風。空風。隙間風。 思いつく限りの「風」を挙げてみたが、早々に「風」という文字…
2019年 11月3日。 『「イマ」という ほうき星 今も一人追いかけている』 ―天体観測 この歌詞を、信じられないほどに涙を溢しながら、あの魔法のよう…
2020年1月1日に、サニーデイ・サービスの新曲が発表された。 丸山晴茂が急逝し、追悼ライブにて1年間のライブ活動の休止とアルバム制作を発表していた。元日…
この文章を書いているのは2020年4月25日。 現在世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、学校の休校、店舗の営業自粛、企業の在宅勤務や…
今回の未曽有の疫病を機に、ヒトとヒトとの接触8割減を掲げ、国を挙げて僕らは 家に閉じこもった。学校は休校となり、会社はリモートワークが進んだ。 アフタ…
天はステージの上にステージを造らず。 今、数々のライブやフェス、コンサート等々が中止・延期を余儀なくされている。振替公演も再延期になったり、ライブハ…
星野源の「うちで踊ろう」をYouTubeで流していたときのことだ。関連動画が自動再生され、「未来」のライブ映像が流れてきた。 「未来」は、2019年12月から…
はじめに、少し日が経ってしまったけれど、4月14日は2004年にフジファブリックがシングル「桜の季節」でメジャーデビューした日だった。今年で16周年。遅れ…
すでに長い軌跡を辿ってきたアーティストにふとしたきっかけで心奪われることがあって、そんなときは大抵、感慨よりも「もっと早く出会えていれば」という後…
突如として出現しとどまる事を知らない新型ウイルスを前に、あの日飛び上がらんばかりに喜び幸せを噛み締めながらスケジュールに書き込んだ3本のライブの予定…
2020年2月28日。 わたしはこの日、友人たちと熊本に行くはずだった。 スキマスイッチのライブツアー「POPMAN’S CARNIVAL vol.2」の国内公演千秋楽を観るため…
2020年の幕開けに、デビュー10周年を迎えた神聖かまってちゃんが、10枚目となるオリジナルアルバム『児童カルテ』をリリースした。 この『児童カルテ』は、…
正しい時に鳴る音楽がある。 それと同じように、正しい時に差し出される言葉も。 全員に当てはまるものではなく、人ひとりそれぞれ、自分自身であるために好ま…
私は、THE YELLOW MONKEYの『JAM』という曲が好きだ。といっても、この曲がリリースされたのは1996年2月のことなので、私が生まれる前の曲である。では、な…
《指を折って君をずっと待っているから》。 フレデリックの〝逃避行〟を聴きながら、私は2月24日を待っていた。かれこれ1年前からずっと、指折り待ち望ん…
彼らのスウィート・リヴェンジが始まった。 My Chemical Romanceは6年間の解散状態を経て、2019年10月に再結成を宣言。 これを機に彼らの楽曲を聴き返して…
「売れたい」 人は簡単にそう言う。言うのは簡単だ。最悪、私にだって言うだけなら言える。「売れたい」ほら、言えた。どこで何を売ろうとして言ってい…
2020.1.23 夕刻。 職場の部下が スマホを見ながらこう言った。 「大変な事が起きました! これは凄いニュースです!」 部下のとても驚いている様子に 僕…
2015年1月のある夜、カーテンを閉め切った部屋で、ラジオを聞きながら勉強をしていると、突然、目の前に青空が広がったような錯覚に陥った。そんな状況に陥…
「今すぐ誰かに熱弁したい」……。全ての『事件』の幕が降りた瞬間、酷く野次馬的な思いが頭を支配していた。大阪のディープな繁華街の一角で行われた約1時間…
生まれてはじめて好きになった音楽のことを、覚えているだろうか? 生まれてはじめて好きになったアーティストのことを、覚えているだろうか? 音楽が好きな…
「ひとつ言えることは、おれ達も皆も将司の歌が大好きってことだよ、ずっと歌っててくれよな」 あの夜。しんと静まり返ったライブハウスで、ギターの菅波栄純…
「つらかったら、いつでも帰ってきぃよ。」 振り返ると、まるで菩薩のように優しく微笑みを浮かべた祖母が立っていた。 共働きの両親に代わって母のように私…
「ドン・キホーテにも ヴィレッジヴァンガードにも 俺達の居場所は無かった…」 Creepy Nutsの「どっち」という曲の冒頭である。 私は口が悪いし校則も度々…
私は英語が苦手だ。 そんな私は俗に言う「スラング」を、英語の授業で習った「使ってはいけない侮辱の言葉」としか認識していなかった。 それを大好きな星野源…
NICO Touches the Wallsという、音楽と真正面からとことん向き合うバンドがいる。 否、いた。 NICOと私の出逢いは2008年、Broken Youthという曲。 きっかけは…
2019年が終わろうとしている。 ポルノグラフィティにとってデビュー20周年を迎えた記念すべき年である。 記念が大好きなポルノグラフィティチームによって「…
曲が始まって20秒後、私は一時停止ボタンを押した。 ここまではCMの中で聴いたことがある。ただ、ここから先は未知の領域だ。「Teenager Forever」は…
先日リリースされた the chef cooks me(以下「シェフ」)のニューアルバム『Feeling』は、0秒目から歌で始まる。1曲目『Now’s the time』にイントロはなく、…
「ツアー”aurora ark”が終わった気がしない」 BUMP OF CHICKENのレギュラーラジオ番組でメンバーの一人はそう言った。 その言葉を聞いたのは、ツアーが終わ…
「東京ドームに連れていきます。」 これはback numberのボーカル・ギター、清水依与吏が2013年の日本武道館でのライブ、“stay with us”で宣言した…
あれだけ嫌だった社会人になり、あっという間に半年以上経っていた。 私はまだ、大学時代に取り残されていた。 私の通ってた大学内に軽音楽サークルはた…
人間は綺麗なものではない。 人を裏切ることだってあるし、嘘をつくことだってある。 弱さ故の自己防衛でもあるのかもしれないが、それをわかってはいても、受…
“BUMP OF CHICKEN tour 2019 aurora ark 京セラドーム2days”9月11日、12日。 約半年前からその日を心待ちにしていた。 遡ること今年の4月。 その頃には自分…
男性声優たちがラップをしているユニットがあり、それがたいそう流行ってるらしい。ということは年の離れた友だちから聞いた。 ふだんはロックをよく聴いてい…
2019年9月5日。「菅田将暉 LIVE TOUR 2019 “LOVE”」 東京公演、初日。 満員のフロアの中、開演を待ちながら私はどこか不思議な想いでいた。 菅田将暉のライ…
今年で20周年を迎えたSUMMER SONICの最終日である、8月18日。海沿いに設置されたオーシャンステージには時折暖かさを携えた風が吹き抜ける。時刻はまもなく18…
バンド史上最大キャパの幕張メッセでのワンマンを12月に控えたハルカミライ。9月24日はそのハルカミライの甲府KAZOO HALLでのワンマンライブだった。幕張メッ…
椎名林檎は40代になった心境をこう語った。 「憧れていた年齢。何を(歌詞に)書いても生意気だと言われないだろうという喜びがある」 年齢を重ねることに抵…
12年ぶりのひたちなかに、ROCK IN JAPAN FES.に、わたしはやって来た。 北国の夏に慣れていたわたしにとって 初めて経験する夏フェスは暑く過酷で、 楽しかっ…
性別の枠がない人に惹かれる。もしくは、自分の本来有した性別と逆の性別が抱く魅力を、香水のように纏っている人。 夜中にぐっと距離が近くなり、かぐわしさ…
夜明け。 私はシャワーに打たれていた。 叫び出したい気持ちになっていたのはとっくだったけれど、今は未明でそんなことをすると迷惑だと思ったからしなかった…
これからの文章の大半が音楽文らしくないかもしれないけれど、書かせてほしい。 これが私の人生で、だからこそ届いたものがあると思うから。なんだかもう、私…
「世界観が好きです!!ファンタジックで、非現実的な!!」 テレビでのインタビューやSNSなどでよく見聞きするファンの台詞だ。 確かに間違ってはいないと思う…
2019年8月3日、宮城県、石巻市総合体育館。 Reborn-Art Festival 2019 オープニングライブ 「転がる、詩」 ものすごく、暑かった。 でも、櫻井和寿の表現…
ポップでキャッチーでフレッシュで、なんだかアイドルっぽさすら感じさせるメロディや、 藤原基央にしては珍しい「ベイビーアイラブユーだぜ」という歌詞。 と…
関ジャニ∞が歌う「今」が好きだ。 アルバム「ジャム」に収録されている曲で、ニセ明さんが作詞作曲。編曲は菅野よう子さん。 音楽に丁寧で、誠実に向き合うニ…
開演予定時刻の19時をすこしだけ過ぎて始まった一曲目は「白い声」、メジャーデビューシングルでありバンドがとても大切にしている曲でもあり、近年ではアンコ…
2月28日、「星野源 DOME TOUR 2019『POP VIRUS』」東京ドーム公演2日目。 開演は6時半。仕事で開始には間に合わないとわかっていた。水道橋の改札を出て、…
先日アヴィーチーのニューアルバム『TIM』が、全世界同時発売された。 CDアルバムの発表というのは通常、アーティストにとって最も重大なトピックとして語られ…
たまに挨拶を交わすくらいのものだ。近所に住むお兄さんと顔を合わせるのは。 なんだかいつも気負わずに軽い足取りで街へ繰り出している。その肩肘張らずに風…
拝啓wowakaさん。 あなたが綺麗だと言った令和元年。 6月1日新木場スタジオコースト。 季節外れの暑さが続いていたその日も、 厳しい日差しが人々の列を照ら…
私はこれから2ヶ月ほど、フェス状態であり、ひとりで密かに盛り上がっている。なぜかと言うと、大好きなBUMP OF CHICKENとL’Arc~en~Cielのボーカルhyde(※…
旅をする気持ちでこのツアーを回っていきたい、と彼は言った。 単に公演のため、各地域へ足を運ぶという意味ではない。それはいわば、曲を巡る旅である。作っ…
たぶん現実逃避しようとしていたんだと思う。 イジメをテーマにした何故ナツミの「あたしは無敵」という歌に出会ったのはそんな時だった。 いったい私が何を…
圧巻のステージ。その一言に尽きる。 Mr.Children Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY” 5月20日の東京ドーム公演2日目。 今回会場に入ってまず驚いたのが…
イエロー・モンキーの 19年ぶりのアルバム「9999」の、初回限定盤に添えられた先着購入特典のDVDを見ている。再集結後に演奏された最初の曲、「プライマル。」…
やっとの思いで掴み取った最前列の柵を汗ばんだ手でグッと掴みなおした。 早朝からの行動量は普段の倍くらいだったろうか、しかし音楽は不思議である。普段の…
3月下旬、私は、大好きだった祖父を亡くした。 膵臓がんだった。最期は緩和ケア病棟で過ごすと決めた祖父の決意を、誰も変えることはできなくて。 正直、叶…
ある曲の始まり。劇場にあるような臙脂色のカーテンがサッと開くと、そこにはキューブ型の頭の部分に巻き戻しボタンのアイコンが描かれている何人もの男女がい…
『あの時』から、もう数日が経つ。後悔先に立たずという諺があるが、僕は今でもその言葉を重く噛み締めている。 4月8日、突如公式ツイッターで発表されたヒ…
自分の力が及ばない事柄に、なすすべもなく立ちすくんだことはあるだろうか。 時の流れ、自然の力、誰かの心の機敏、エトセトラ。どうにかしたい、あるいはな…
SEKAI NO OWARIの楽曲はファンタジーに見せかけて、実はリアルな歌が多いと私は思っている。今回『Eye』と『Lip』という2枚のアルバムが同時発売されて、その…
『嫌なこといっぱいあるよね めんどい事はやっぱり多いね うまいこといかんことばっかりでへこむね』 これ[ヤバイTシャツ屋さん]の【とりあえず噛む】の冒…
ポップスターとは何だろう。 星野源との出会いは強烈だった。 2012年に行われた、とある音楽フェス。6組のアーティストが出演するステージの中盤に星野源は現…
初めて石崎ひゅーいの音楽を聴いた時、奏でられる世界の中に入りたいと思った。 曲の住人になりたいなんて自分はおかしな奴だと感じながらも、ライブに行く度…
「いちばん好きなバンドはどのバンドですか?」 あまり好きではない質問だ。 わたしの愛する音楽に優劣(というのは語弊があるかもしれないが)とかイチバン…
先日、1月19日に開催されたサカナクションのライブツアー『SAKANAQUARIUM 2018-2019 魚図鑑ゼミナール』、島根県民会館公演に参加した。 サカナクションが…
『誰もがみんな幸せなら歌なんて生まれないさ だから世界よもっと鮮やかな悲しみに染まれ』 (THE BACK HORN/キズナソング) こんなにも鋭利で鮮烈で、そ…
大好きなバンド、フジファブリックがメジャーデビュー15周年を迎える。10周年の日本武道館公演がついこの間のことのようだが、あれからさらに5年もの月日が経…
「平成」という時代が平成31年を以って終わる。 平成生まれの僕としては、自分の生まれた時代がひとつの節目を迎えることに寂しさとも不安とも違和感とも言え…
1998年という年に何をしていたか? 僕はその年、だいたい高校一年生であり、始めたばかりのエレキギターを毎日練習し、次第にヒットチャートを飾る音楽だけで…
国民的アイドルグループ・嵐が2020年いっぱいで活動を休止する。 末席ながら、2007年から細々と彼らを追い続けていた私にとって、まさに青天の霹靂だった。 所…
考えるな、感じろ。ブルース・リーは言った。 映画『燃えよドラゴン』の、有名すぎる台詞。原語のニュアンスなら、思考するな、感覚でつかめ。みたいな感じだ…
想定外に10年越しの企画となってしまった映画『ボヘミアン・ラプソディ』を、けっこう多くのクイーンのファンは「完成したんだから100点だ」くらいの大らかな…
生活をしている。誰しもがそうなのだが、生活をしている。日々、生きるために労働もするし、私は好きなことを仕事にしている。泣いたり笑ったり怒ったり悲しく…
そういえば、クリープハイプを暫く聴いていない。 理由は簡単だ。君も、私も、あの頃とは変わってしまったから。 あの頃よりずっと、幸せな人間になってしまっ…
衝撃的な6分間だった。 まず、ニューアルバムの発売に先駆けて公開されたMVを見て黙り込み、アルバムが発売されると、歌詞カードを見ながら9曲目を聴いて考…
アルバムリリースから3ヶ月が経った2018年9月24日。見事チケットソールドアウトで迎えたこの日、SUPER BEAVERが「『歓声前夜』Release Tour 2018~初めての、ラ…
先日、米津玄師の『Lemon』のYouTube再生回数が2億回を突破したというニュースを見た。私はYouTubeの再生回数というものをあまり気にしたことがなかったが、…
"あの時から全てがこの場所まで繋がっていた" 2018年11月11日。横浜アリーナのステージ上で、「リアライズ」という楽曲を最後に歌ったボーカルの大橋卓弥(敬…
2018.11.16 日本武道館で行われたamazarashiのライブ『朗読演奏実験空間“新言語秩序”』のライブビューイングへ参加してきた。 凄まじい衝撃と感動で、いま…
Hi-STANDARDが用意してくれたのは、ツーマンの時と同じ、ハイスタを観るために集まった人で埋め尽くされたフロア、トリ前のステージ。2018年9月9日、ZOZOマリ…
私には夢があった。声優になること。 そして、声優になって自分が主役のアニメでBUMPに主題歌を歌ってもらう事。 この夢は中学生の時からあって、高校卒業とと…
「最高にロック」「最高にパンク」という言葉がある。 主にSNS上で使用される言葉で、定義ははっきりと定まっていないが、とにかく破天荒で、型破りなこと。 …
音楽の真髄を見た。そう思った。 渋谷すばるが関ジャニ∞から離れ、事務所を退所すると報じられたことはまだ記憶に新しい。 僕個人としては「ファンになった…
夏の午後、巨大な雲がむくむく立ち上がったと思ったら夕立に降られて、田んぼの中の道を走って帰って、家に着いて西の空を見ると、もう雲の切れ間から日が差…
《This is my own judegment!! Got nothing to say!!》 “ONE OK ROCK”破竹の勢いとはこのことか。日本のロックシーンを飛び越えて物怖じしないその姿勢が、…
人の上を歩き、私の心の中を歩く。 思いやりとマナーを考えながら、私は彼を支え続け、彼は歩き続ける。 今日もヤマサキセイヤ含めキュウソネコカミは輝いて…
UNISON SQUARE GARDENというバンドは、かっこいい。 分かりやすく派手なかっこいいことをするわけではなし、少なくともすべての人に寄り添い勇気づけよう…
ラジオから聴こえてきた音楽に、ふと心をわしづかみにされたことがあるだろうか。 仕事中に、街を歩いている時に、夜中に机に向かっている時に。ふとスピーカ…
新曲の発表というのは、何回味わっても慣れないものだ。 未知の音楽と出会う楽しみ、ワクワク感、期待は平凡な日常の中で大きな大きな希望だ。 7月23日にBUMP…
『ノストラダムス』 彼は迎える1999年「滅亡」を大予言していた。 それは地球規模のはずが、まさかのピンポイントだった…。 結婚してわずか6年、私はまさに…
彼がこの世を去ってからもうすぐ一年が経つ。 これは彼に寄せて、それから私の尊敬する全てのアーティスト達に寄せて、どうしても書き残しておきたかった文章…
久しぶりに、3分台の完璧なポップミュージックに出会った。女王蜂の「HALF」だ。 不敵なファンファーレのようなイントロの後、「簡単な英語しかわかんな…
13歳の時、家で流れていたスペースシャワーTVである15秒のCMを見た。ライブハウスと思しき場所で演奏するバンド。画面が曇りそうなほど充満する熱気。当時「イ…
〈さぁ どんな姿で歌おうか〉/ “New Clothes” 歌い続ける、一対一でこれからも────。 2018年2月26日、衝撃が走ったあの夜、4月のワンマンツアーを最…
これは、ポルノグラフィティの音楽に魅せられた男たちの話。 そして、 これは。 ポルノグラフィティにとって15回目となるツアー「BUTTERFLY EFFECT」。11…
2016年12月、私はインフルエンザになった。 生まれて初めて、40度の熱を出し5日間寝込んだ。 熱が下がった後も動けずに計2週間近く寝込んだ。 その時に知った…
あっ。今日もこのフロアでこの会場で私は最年長かもしれない。 マイヘアのライヴに行くと毎回思う。 フロアを見渡しても、明らかに皆学生で、それはきっと大学…
初めて私が「神様、僕は気づいてしまった」(以下、神僕)に出会った時、私は途轍もない衝撃を受けた。いや、圧倒されたと言う方が正しいだろうか。 クランチサ…
“あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ そのすべてを愛してた あなたとともに” (「Lemon」) このフレーズが、”胸に残り離れない”のは、きっと私だけ…
社会人になってから、失ったものがいくつかある。 自由に使える時間、そこまで仲良くなかった友達、学生割引、季節感… 1ヶ月単位であった休みという制度は…
その知らせはあまりにも突然だった。年も明けたばかりの2018年1月1日、UNISON SQUARE GARDENが7thアルバム『MODE MOOD MODE』の発売を発表した。発売日はな…
決して青い春とは書けそうにない思春期を、共に過ごしてくれたのがクリープハイプだった。 クリープハイプを知ったきっかけになった歌は、『イノチミジカシコ…
2015年の冬、スピッツ『ハチミツ』の発売20周年を記念して、トリビュートアルバム『JUST LIKE HONEY』が発売された。好きなアーティストが幾組か参加してい…
2018年2月11日、The xxのライブ終演後。 金属とコンクリートでできた無機質で武骨なアリーナを、柔らかくて・暖かい光が包んでいた。 終演を知らせるBGMに合…
今にも雨が降り出しそうな2月中旬の薄暗い雲の下、私は冬将軍の最後の悪足掻きを横目で睨みながら、愛すべきパンドラの箱にそっと手を伸ばした——。 《息を…
「若者の恋愛離れ」――なんて言葉をメディアで見かける時代。 「特定の恋人の存在は束縛になるし、面倒くさい。独り身のほうが自由で良い。」とか、「特定恋…
サマーソニックでのチャンス・ザ・ラッパーの初来日。続くフジロックでのケンドリック・ラマーやN.E.R.Dの来日決定のニュースなど、大物ヒップホップアクトの…
BUMP OF CHICKENが怖い。 かつての私にとって救いそのものであり、生きていく指針と定めた彼らの曲が今の私には怖くてたまらない。 高校生の頃、BUMP OF CHIC…
現在「世界一のラッパーは誰か?」と聞かれて、ケンドリック・ラマーと答える人は少なくないだろう。彼は間違いなく音楽史に名前を刻むアーティストである。な…
33歳の時、若年性乳がんを告知された。 その日の電車の中、死の恐怖に怯え、「生きたい」と願い、「私は40まで生きられるだろうか」などと考えながら窓に映っ…
もし、君がこのアルバムを聴いて、なにかわかった気になっているとしたら、残念ながら、その態度は『MODERN TIMES』にはふさわしくない。たしかに気持ちはわか…
びっくりした。アンコール終わりに隣の友人を見ると、そこには涙ぐんだ顔があった。 sumikaはたった少しの時間で世界を変える魔法が使えるのかもしれない、と…
正直言って、私はすごくつまらない人間だ。 自分の意見を言うことはもちろんできないし、全部他人に同調していた。「これを私はしたいんだ」なんて、言えなか…
僕はたぶんさみしかった。 小さなときから体が弱かった。 なんでみんなあんなに走れるんだろう、と思った記憶がある。一緒に走ろうとしてもすぐに息が切れる…
みなさんは、初めてライブに行った日のことを覚えているだろうか。 2013年9月26日、横浜アリーナ。 アリーナ席、D7列、24番。 初めてのBUMP OF CHICKENのライ…
19歳の時、THE YELLOW MONKEYを聴くようになった。 好きだったバンドマンたちが皆、口を揃えて「ルーツは、日本でいうとTHE YELLOW MONKEYとかですかね」なん…
あの日の気持ちを忘れたくないから、こういう形で残させていただけたら、と思う。 - 2017年12月3日 日曜日 flumpool 8th tour 2017「Re:image」 神奈川県 パ…
平成13年、西暦2001年に生まれた。 私の生まれる8ヶ月前に世界は新世紀を迎えた。 生まれた1ヶ月後に、アメリカでビルが燃えた。 ゆとり教育が始まって終わっ…
昨年の大晦日、THE YELLOW MONKEY(以下 イエローモンキー)のJAMがお茶の間に流れた。イエローモンキーが再集結をし、この曲で紅白歌合戦に出場したからだ。…
「人に触れていたいと願うヒトが好きだ 嗚咽さえもタレ流して 何度となく すがりついて 傷ついて 君に触れていたいよ 名前を呼んでくれよ」【Title of mine】 …
あの子に聞かせてやりたい。ねえねえ、これ僕の好きなロックバンドなんだけどって。そしたらあの子はなんて言うのかな。ロックバンドって何って言うかもしれな…
2017年11月24日、突然発表されたチャットモンチーの「完結」。 10代の私が憧れた、大好きなバンドが、終わる。 私がチャットモンチーに出会ったのは2005年。 …
せっかく華のJKになれたのに、飛び乗る予定だったアオハルに見事に乗り遅れて絶望している。最近とにかく同世代のファンが眩しすぎて適わない。 女の子は眩し…
9月8日。3人が退所する当日、そして「ある記念日」の前日に木村拓哉がラジオでかけたSMAPの曲は、『This is love』と『前に!』だった。 私がラジオを聴き始め…
中学二年生の時、毎月買っていたロッキング・オン・ジャパンでplentyが取り上げられていた。それが私とplentyの出会いだ。 『ボクのために歌う吟』が紹介され…
『弱者の味方 下川です』 ハッとするような、ボーカル・下川リヲの宣言で始まる、挫・人間の除霊ソング【下川最強伝説】 YouTubeがしつこく勧めてくるので、…
涼しくなってきたから、エルレガーデンの『The Autumn Song』を聴いている。秋が来るたびに聴いて、これだよなあ、と溜息をつきたいような気持になるのが毎年…
突然のことに言葉を失う。安室奈美恵が引退を発表した。 ここで彼女の経歴を振り返っても“言わずもがな”な事実ばかりで老若男女共通の知識である、まさしく…
『僕は見た、狂気によって破壊された僕の世代の最良の精神たちを……』(アレン・ギンズバーグ『吠える』1956年) あまりにも長く、詩的で意味深長なタイトルを…
いつかROCK IN JAPAN FESTIVAL(以下ロッキン)のステージで、the HIATUSのライヴを観たいと思っていた。彼らと出会い今年で4年目を迎え、チャンスがないわけ…
私は、ここに在る。 彼らの音の中に自分の姿を見つける。 鏡のような存在。 それが、BUMP OF CHICKENの音楽―― 昔から音楽は聴いていたが、素通りするこ…
2012年の《Channel Orange》ですでに「アンビエントR&B」とか「インディR&B」と呼ばれはじめたいち潮流の代表選手として評価を決定的にしたFrank Oceanは、201…
back number。 彼らの魅力は?との問いに「歌詞」と答える人は多い。私も彼の描く世界に魅了された1人だ。back numberに出会う前、私は音楽は"音"のみを感覚…
2017年6月16日、日本武道館。 そこに集いし4人の首謀者と1万2千人の共犯者たち――。 ロマンチシズムの帝王・THE ORAL CIGARETTESが織り成す一夜限りの物語は…
2017年6月15日木曜日。この日が何もBRAHMANというバンドの最後のライブというわけではないし、何か特別なことをするわけでもない。わたしだって、きっとこれか…
このアルバムを聴き終えた瞬間、私は正直、少しだけ困惑した。 なんだろう、このモヤモヤ感は。美味しいラーメンを食べていたのに途中で仕事の連絡が入ってス…
plentyには二度出会った。 一度目は16歳の時。偶然目にした雑誌のインタビューで気になって気になって、買った「拝啓 皆さま」。膝を抱えた少年が印象的な…
ゴリラズのニュー・アルバム『Humanz』を何度も聴いている。このアルバムに関する最初の大きなニュースは、収録曲「Hallelujah Money」のMVだった。トランプ・…
「つらいのは君だけじゃない」音楽を聴いていて、そんななぐさめの言葉に出会ったことがあるだろう。人々を絶望の底から救い出し、励ますための決まり文句であ…
5月5日。突き抜けるような快晴の空の下、僕は蘇我スポーツ公園へと向かった。 JAPAN JAMに行くためだ。 タイムテーブルの観たいバンドの所にマルをつけ、休憩…
今日は仕事で嫌なことがあった。なんとなく恋人からの連絡も冷たくそっけない気がする。テレビをつけると、私の気持ちなんて知る由もなくキラキラした人たちが…
ふとした瞬間に思い出す過去の自分が触れた忘れがたき出来事たち。今に至るまで輝き続けているものあれば、既にくすみきったもの、決して見ないように脳の隅っ…
アジアン・カンフー・ジェネレーションが、「10代のころ好きだったバンド」から「10代で好きになって、今もなお愛すべきバンド」になった。 2016年末に発表さ…
1月 僕は失意のどん底にいた。 広げた参考書を見る気力は微塵も無い。今日は朝から机に向かい、イヤホンで耳を塞いで午前中をやり過ごした。数週間後に控え…
2017年2月11日土曜日 17時30分 さいたまスーパーアリーナで、UVERworld6人と男23,000人の魂と魂がぶつかり合う“闘い”が始まる。 UVERworldの音楽に初め…
2017年になってまだ3つ目の月だというのに、もう今年の1位に決定してもいいと思えるライブに出会ってしまった。 ベストアルバム『くるりの20回転』のリリース…
今思えば、なんてことのない普通の学生生活を送ってきたと思う。それなりに楽しくて、それなりに悩んで、それなりにぼんやりとして。クラスの中で先頭をきる人…
初めて好きになったときは6人だった。 初めてCDを買ったときは5人だった。 初めてコンサートに行ったときは4人だった。 これからもずっと応援すると決…
「2016年、第58回レコード大賞は......西野カナさんの、"あなたの好きなところ"に決定いたしました!」 年末、実家のテレビでこの瞬間を観ていたわたしは「…
[Alexandros]というバンドは身勝手だ、ワガママだ。 乱暴だし、飼い馴らせないような音楽を作る。 正直に言えば彼らの音楽性に統一性はない、 なのに彼らの…
金曜の夜。 さけるチーズを片手にストロングチューハイを飲む。すっぴんになったら鏡を見ないようにするという習慣がここ1年程で定着してきた。赤ちゃん…
高校生活は私にとって輝くような青春そのものだった。周りの友人みんなが好きだったし、先生も人として信じられる大人たちばかりだった。教室の窓から見える…
サリンジャーとかカポーティといった海外文学が割と好きで、思い出しては時折読んでいる。勿論全てを理解している訳ではないが、この辺りの作家の言い回し、…
この世に産み落とされてから経験したことのない2分00秒。初めて"STAY GOLD"を聴いた時、全身に稲妻が走った。 僕とHi-STANDARD、通称ハイスタとの出会いは3…
2016年10月11日、私はクラスメイトのAちゃんと武道館に向かっていた。初めての武道館、初めてのワンマンライブ、そして初めてで最後のGalileo Galilei。すで…
0.Out of the "Grid" 2000年のリリース以来ほとんどカルト的と評すべき支持を得続けているD'Angeloの名盤『Voodoo』は、その制作過程において、ギターの…
思い返せば中学時代から音楽を聴くという趣味に傾倒し始めて、15年以上が経っている。音楽的な専門知識も、幅広く色々なものを聴く視野の広さもほとんど持ち…
今年、グラストンベリーに行ってきたので書きます。 長いよ。 2016年6月22日、午前11時半。 ダイスケとユカ、そして俺はイギリスのロンドン、ヴィクトリアに…
<さらば人気者の群れよ/僕は一人で行く> という歌詞から始まる曲がある。 星野源の「変わらないまま」(2ndアルバム『エピソード』収録)だ。 <冷えた風があ…
「クイーン+アダム・ランバート9月に来日公演が決定」、この夢のような24文字に日本中のQueenファンが喜んだことだろう。もちろん、私もその1人だ。これから…
親の仇を叩きのめすような激しいドラム。草原を颯爽と駆け抜けるチーターのようなベース。エモーション全開で轟音を掻き鳴らすギター。それらに決して調和す…
クリープハイプ、そして尾崎世界観はわたしにとってヒーローである。 わたしがクリープハイプに出会ったのは今から約3年前。専門学校を卒業する少し手前の…
現在の邦楽シーンはひと言で表せないほど混沌としている。Suchmosのような横揺れ系のずっと寝転んで聴いていたいような心地よいバンドもいれば、夜の本気ダン…
なんばHatchでのライブを観終え、僕は『Currents』を聴きながら春風のなでる道頓堀川に沿って歩いていた。何んだかすぐには帰りたくなかったし、なかなか出…
この文を書いている現在、James Blake『The Colour in Anything』について詳細に語られているメディアがあまり見当たらない。スペクタクルでミステリアス、…
お馴染みの目がチカチカするようなビビッドカラーの某CDショップの袋を大袈裟なくらい両腕でしっかりと抱え、息を切らして家に帰りつく。ただいまの言葉も言わ…
音楽に限ったことではないが、「表現すること」を巡る状況は深刻だ。公共放送で過激なパフォーマンスをした結果、国民的なポップ・ロックスターが謝罪するこ…
1986年の春、浪人が決まった私は、順風満帆とは言えない予備校通いをすることとなった。その年、プリンスが初めて来日公演を行なうという話が流れたからだ。…
漆黒のスーツ、レモン色のドラムセット、端正なルックス、そして不敵なオーラ。しかし始まったのは爽快でポップなギターリフが印象的な“ワタリドリ”――。…
2015年 12月8日、この日はテスト後の振り替え休日とやらで学生は某ネズミの国やらオサレな飯屋に行って羽目を外してるに違いない。だが俺は違った。この日は俺…
「出来れば世界を僕は塗り変えたい 戦争をなくすような大逸れたことじゃない だけどちょっと それもあるよな」 “転がる岩、君に朝が降る”の歌い出しのフ…
日本におけるEDMの現状は厳しい。やれブームが来ただの、定着しただの言われているけれども、実際に現場に足を運んでみるとEDMが流れているだけのただのパー…
あるミュージシャンのエッセイ本にこんな話が出てきた。 「10代のころ胸ポケットにこっそりとナイフ、もしくはカッターを隠し持っていた人は10人に1人く…
僕はいま22歳なのだが、この年になると、同世代の活躍が目立つようになる。高校球児はとっくに年下になったし、箱根駅伝を走る選手たちも同い年か年下になって…
ジャケットのアートワークはミューズ、ピンク・フロイド、マーズ・ヴォルタなど数々のアルバム・カバーを手がけたイギリスのデザイン・チームであるStormStudi…
2014年12月23日は電車に揺られいつも通り携帯を開いた。 何気なく見たニュースの中に「the telephones、2015年以降無期限活動休止」の文字が あったとき、流れ…
毎年12月にディスクガレージによって開催されている年末ライブイベント、LIVE DI:GA JUDGEMENT。一日目の今日は渋谷CLUB QUATTRO、TAKE OFF 7両会場で、年の瀬…
2014年12月22日(月)、the HIATUSがバンドとして初となる日本武道館公演を行った。 この日のチケットは2階席最上段に立ち見席まで用意されたが全てソールド…
「尽未来際~尽未来祭~」 幕張メッセ国際展示場 2015年11月14日(土)15日(日) 1日目 2015年に20周年を迎えたBRAHMANが主催したイベント「尽未来際~尽未…
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