UKテクノ/アンビエントの重要人物であるマーク・プリチャードと、レディオヘッド/アトムス・フォー・ピース/ザ・スマイルのトム・ヨーク。90年代からそれぞれにシーンをリードしつづけてきたふたりが、驚きのコラボレーションアルバム『トール・テールズ』を完成させた。
2020年のパンデミックによるロックダウン下、トムがマークへと寄せたEメールに端を発したプロジェクトだが、同時期にザ・スマイルが始動して精力的な制作(アルバム3作分だ)やツアーを繰り広げてきたことを振り返ると、水面下でこれほど濃密なコラボレーションが動いていたとはやはり信じがたい。
また、マークと旧知の間柄であるジョナサン・ザワダに一任されたビジュアルは、アルバムと同名の長編映像作品へと発展。こちらは日本でも5月に東京/大阪で劇場公開される。
そんな『トール・テールズ』について、マーク・プリチャード単独の取材を行った。トムとのコラボレーションの経緯や音楽プロダクションについて丁寧に振り返り熱弁を振るってくれているのだが、マーク自身も今回のアルバムに相当大きな手応えを抱いていることがひしひしと伝わるインタビューになった。
とりわけ興味深いのは、とある収録曲のアレンジについて、技術的に極めてチャレンジングな姿勢で臨み成果を挙げたことが語られるくだりだ。文章で読んでみても、ドキドキハラハラとさせられる。大物アーティストふたりがそのネームバリューの上に胡座をかくどころか、少年のようにピュアな冒険心をもって制作に打ち込んだことが伝わるエピソードだと思う。(小池宏和)
マーク・プリチャード×トム・ヨークの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。