PERIDOTSとのコラボ・シングルを経て、ソロとしては2013年唯一のリリースとなるタワーレコード限定のワンコイン・シングル。プロデュースは亀田誠治。ダブルAサイドの1曲目は勢いに満ちたロック・ナンバーで、《わたし》と《あんた》のすれ違いのドン詰まり感を、《トトトトトンと鳴り響く》のキラー・フレーズが突き破って転がしてゆく。技術的に高度なメロディ・ラインだけではなく、言葉と音が一緒くたになって強烈な中毒性を呼び起こす、という宇宙まおの天才が今回もバッチリ降りてきている。一度聴いたら忘れない、という常套句があるけれど、それを狙って摑み取ることが出来るソングライターは決して多くない。一方、2曲目の“哀しみの帆”は、ライヴにおいても大切に育てられてきたナンバー。彼女は「哀しいことも、嬉しいことと同じように共有できたらいいのにな、という曲です」と、この壮大なスケール感の名曲で聴く者を運ぶ。ポップ・ミュージックの役割と可能性を押し広げる、そんなアーティストでもあるのだ。柔らかく温かなリアレンジが施された“あの子が好き”も収録。(小池宏和)