「北陸を“音楽”で元気に!」をキャッチフレーズに活動するご当地アイドル、ほくりくアイドル部。全国の舞台でも通用する「北陸発信のスター」を見出し育成する一大プロジェクトとして始動して3年半、満を持して1stフルアルバム『1st Season』をリリースする。現時点での活動の集大成とも言える、バラエティ豊かな16曲入りのフルボリュームの作品を作り終え、メンバーは今、何を思うのか。代表して監督顧問の宮村優希、キャプテンの松井祐香里、センターでメインボーカルの奥村星香に話を聞いた。
インタビュー=沖さやこ
一人ひとりの一つひとつの行いが、地元のみなさんに愛していただける理由につながっている(宮村)
――ほくりくアイドル部は、金沢在住の5人組バンド・Seattle Standard Caféのフロントマンである中新賢人さんが発起人なんですよね。
松井祐香里 金沢に密着した活動を10年以上続けている中新さんが、北陸新幹線も開通したことも追い風になって「若くてフレッシュな世代に北陸を盛り上げてほしい」という想いで立ち上げたのがほくりくアイドル部です。北陸地方のいろんな団体さんや企業さんとタイアップを組んで活動しています。
――個々での活動も多いのも特徴的だと思います。宮村さんは舞台に出演したり、奥村さんはモデルさんをなさったり。松井さんもYouTubeに動画をアップなさったり、2年連続で金沢マラソンにも出場なさったとのことですが。
松井 そうなんです。金沢マラソンは自分にとってすごく大きな出来事で。マラソンをきっかけにして知ってくださる方々も増えたし、「変わったね」と言われることも増えて。
――変わった、とは?
松井 参加したくてもなかなか参加できない金沢マラソンに参加させてもらうだけでなく、たくさんの人から応援してもらって、地元の新聞が一面で取り上げてくださったりして。そういうプレッシャーもいい方向にはたらいて、「ほくりくアイドル部のキャプテンとして、もっと頑張らな!」という気持ちになったんですよね。地元のみなさんにキャプテンとしての器を育てていただいたな……と思います。
宮村 彼女のすごいところは、金沢マラソンを完走するだけでなく、カメラを回して金沢マラソンのいいところを紹介しながら走って、それを動画作成してYouTubeにアップしているところなんです。これができるアイドルはなかなかいないなと思いますね。
松井 レアなことやると再生回数伸びるからね(笑)!
宮村 そういうことじゃなくって!(笑)。そういう一人ひとりの一つひとつの行いが、地元のみなさんに愛していただける理由につながっているのかなと思っています。
松井 うん。ほくりくアイドル部のことも北陸のことも、もっといろんな人に知ってほしいからね。石川県にもいっぱい来てほしい!
奥村星香 アイドル部の活動を始めてから「こんなにいいところいっぱいあったんや!」って新しい発見もいっぱいあって、地元をもっと好きになれたんです。全国の方々に北陸の魅力を知ってほしいですね。
わたしたちの衣装が白いのは、爽やかさと、あとは「どんなものにも染まれる、いろんなことができる」という意味も込められている(宮村)
――地元に密着した活動がプラスにはたらいているということですね。
松井 女性アイドルのライブのお客さんには男性が多いと思われがちなんですけど、ほくりくアイドル部は老若男女問わずいろんな方々に愛していただいているんです。それはやっぱり地元に密着した活動だからだと思っていて。
――と言うと?
松井 2017年に地元Jリーグチームの「ツエーゲン金沢」のマスコットガールに就任してから、いろんな地元のスポーツチームの応援ガールを務めるようになったんです。スポーツ観戦にはファミリーの方々もたくさんいらっしゃるので、3歳くらいの小さい子たちが「ゆかり姫~!」って声を掛けてくれて。今は「大きくなったらわたしもアイドル部に入りたい!」という子たちがたくさんライブに来てくれるようになったし、アイドル部の活動を見て「北陸でアイドルをしたい!」と思ってくれる子が増えていて。地元で活動してる意味を感じられますね。
――なるほど。スポーツ観戦は世代を選びませんし、ほくりくアイドル部の楽曲はどの世代の人々にも受け入れられる正統派アイドルを思わせる爽やかなサウンドや歌詞ですしね。親和性が高かったと。
宮村 でも最初は大変でした。“ツエーゲンのテーマ”はずっとSeattle Standard Caféが歌っていたので、その曲を突然こんな小娘が歌い出したら「この子たち誰?」「何もわかってないんじゃないの?」「応援する気あるの?」と思われてしまうのも当然なのかなって。だからわたしたちも中新さんたちが築いてきたものを自分たちが継承するつもりで歌って、ちゃんとサッカーやツエーゲンのことを勉強して、毎試合全力で応援して。そしたら少しずつ受け入れてもらえるようになって。
松井 ツエーゲン金沢を応援しているファミリーの方々やサポーター仲間同士でわたしたちの定期公演に来てくれたりもして。この前初めて定期公演に来てくださったツエーゲンのサポーターさんに「どうして来てくださったんですか?」と訊いたら、「いつも頑張ってツエーゲンを応援してくれてるから、1回くらいは定期公演に行かなきゃなと思ってね!」と言ってもらったんです。
宮村 最近は新潟や川崎、関西の対戦相手チームのサポーターさんも定期公演に来てくださるんです。アイドル部のステージを観るためにツエーゲンの試合を選んでくださったりとか。
――地元に密着することで、ほかの地域との交流も生まれていると。ほくりくアイドル部は、地元のいろんな文化の懸け橋になっているんですね。
宮村 わたしたちの衣装が白いのは、爽やかさと、あとは「どんなものにも染まれる、いろんなことができる」という意味も込められているんです。北陸はあったかい人が多いなとつくづく思うので、地元に恩返しをしたい。そういう気持ちで一つひとつのステージを大事にしています。
ほくりくアイドル部はメンバー全員が必要とされているグループ(松井)
――今作『1st Season』は全シングルのリード曲、タイアップ曲を網羅し、カバー曲も収録されている全16曲という大ボリュームの作品。ギターロック、ピアノロック、ストリングスの入ったバラード、トロピカルハウス、ラップ曲など、音楽性も多彩です。
宮村 3年間の感謝の気持ちや、3年間のいろんな経験のなかで生まれた想いが込められています。“Golden Smile”は中新さんの後輩の石川拓磨さんが作詞作曲をしてくださったんですけど、石川さんがわたしたちのことを想ってゼロから作ってくださった曲なんです。「これってわたしたちのこと?」と思うから歌っていてなおさら気持ちがこもるというか。何度もくじけそうになったけど、それでも頑張ってきたから今があるよね――と歌っとっても踊っとっても思う。どの曲も歌っていて「いい曲やな~!」って泣きそうになったりする(笑)。
奥村 わかる! どの曲も北陸出身のアーティストさんが制作してくださっているんです。この3年で協力してくださる方々が増えたからこそ出来た1枚。まさに集大成ですね。
宮村 聴いていると「頑張ってきて本当に良かったな……」と思いますね。ライブを観てもらってから聴いていただけると、より楽しめるんじゃないかな。
松井 ライブのあとのCD特典会で、サインを書いたり、みなさんにライブの感想をいただいたりお話をしたりできるのもすごくうれしいんです。歌詞カードもメンバーのキャラクターを生かした写真を使っていて、今日ならではのことをサインと一緒にコメントに書いたりするので、ライブの思い出として持って帰って楽しんでいただけるようにしています。
――CDがライブTシャツやグッズのような意味合いを果たしているところが大きいということですか?
松井 やっぱり今の時代、CDは本当に好きなアーティストのものしか買わない人が多いと思うんです。そのアーティストの良さはライブを観ないとわからないと思うし、アイドル部のライブも曲だけで伝えきれない良さがある。実際にパフォーマンスするわたしたちのことを観て、「いい!」と思っていただいてからCDを買っていただきたくて。それをカーステとかで毎日聴いてもらえたら幸せですね。
奥村 そうだね。わたしたちのライブで必ず1曲目に披露する“マイメロ!”がアルバムでも1曲目なので、ライブを思い出してもらえると思います。
――ほくりくアイドル部初のバラード“kimiwa”は山田紗千華さんのソロ曲ですが、なぜ彼女に白羽の矢が立ったのでしょう?
宮村 もともと中新さんはメンバーそれぞれの個性を生かすことを大事にしながら、グループのバランスを取ってくださっていて。だからメインボーカルである星香以外のメンバーで歌っている曲もあるんです。彼女(山田)はすごくか弱い女の子で、“kimiwa”はそんな彼女だから歌える曲だと思いますね。
松井 バンドサウンドの“マイフレンド”は最年少組のメンバーが歌ってますね。ほくりくアイドル部はメンバー全員が必要とされているグループなんです。
宮村 だから「アイドルになりたいけど東京に行くのはちょっと怖い」という北陸の若い子たちにもどんどん加入してもらえたらうれしいですね。
みんなを元気にしたい、笑顔にしたいという気持ちはどのステージでも同じ(奥村)
――お話を伺っていて、アイドル部の活動一つひとつに寄り添っているのが、アイドル部の楽曲たちなのだろうなと思いました。
松井 ああ、うれしいです。わたしはアイドル部の曲が好きだし、「アイドル部の曲いいね」と言ってもらえることもすごく多いので、「アイドル部のメンバーとしてこの曲たちを歌いたい!」という気持ちが強いんです。これまでの曲たちだけじゃなくて、まだ聴いたことがない次の新曲も歌いたいし、その次の新曲も歌いたい。やめたらアイドル部の曲を歌えなくなるから、まだやめたくない! ――そういう気持ちになるくらい自信があります。すごく好きな曲ばかりですね。
――ほくりくアイドル部は今後、金沢支部、富山支部、福井支部のように規模を大きくしていくことを目標に掲げているそうですが、となると監督顧問やキャプテンの立場も重要になってくるのではないでしょうか。
松井 わたし個人としては指原莉乃さんみたいにプロデュースできたらなと思っているので、メンバーの個性を引き立てるためのアドバイスをたくさんできる人間になりたいですね。ほくりくアイドル部はメンバーみんながやりたいことを見つけて、自分の秀でている部分がどこなのかを知っているグループにしたい。そのためにも個々でもグループでももっと成果を出したいなと思っています。もっともっと大きく北陸から発信していきたいですね。
宮村 ゆかり姫は個性を見つけるのがうまいので、わたしは監督顧問として全体を統括できるような、今まで得てきた気付きやノウハウを若い世代のメンバーに教えられるような立場になれたらと思っていますね。
――まずは2020年1月の金沢市文化ホール単独公演を成功させるところからでしょうか。武道館アーティストでも難しい金沢1000人チャレンジ、成功することを祈っています。
松井 ありがとうございます。満員になった金沢市文化ホールで、お客さんが盛り上がっている様子が想像できているんです。最近ステージ中に「あ、文化ホールでこういうことがしたい!」っていろいろアイディアが浮かんでくるし、とにかく楽しみで仕方ないですね。
宮村 3年間の活動で知り合えたみなさんが集まってくださるイベントにできたらいいなと思います。みなさんに感謝の気持ちを届けたい。いちばん「ありがとう」が溢れる日にしたいです。
奥村 初めて観た人も「好き」と思ってくれるような、笑顔で溢れる最高のライブにしたいですね。みんなを元気にしたい、笑顔にしたいという気持ちはどのステージでも同じです。そういう気持ちを忘れずにセンターとしてメンバーみんなを引っ張りたいし、お客さんを引き込みたい。どんな時も輝いている自分でいたいので、みんなとレベルアップしていきたいです。
“A Whole New World”
1stアルバム『1st Season』発売中
〈収録曲〉
01. マイメロ!
02. A Whole New World
03. Golden Smile
04. たとえ 一億人が笑ったって
05. SUGAR-BOY
06. きっと、ミラクル
07. 好きと言えるまであとどれくらいなの
08. kimiwa
09. 99%
10. ツエーゲンのテーマ
11. 風になれ
12. マイフレンド
13. 映画みたいな恋をして
14. Blue Pride
15. 風をあつめて
16. Today
販売箇所:北陸のFamilyMart全店舗、TSUTAYA CD/DVD販売取扱店(TSUTAYA RECORDS全店)
ライブ情報
「ほくりくアイドル部 3周年記念感謝祭」【みんなで目指せ!ソールドアウト!!金沢市文化ホール単独公演☆】
日時:2020年1月26日(日)
開場15:30/開演16:00
場所:金沢市文化ホール
チケット:前売 ¥ 1,500 / 当日 未定
*中学生以下の方は入場無料となります。保護者の方と同時にご入場されたい場合は以下の方法でお願い致します。
①お子様がチケットをお持ちでない場合
→保護者の方の整理番号に関わらず、整理番号順に順次入場後のご入場となります。
②お子様がチケットをお持ちの場合
→整理番号順にご入場となります。
<定期公演チケット取り扱い店舗>
チケットのご購入は全国のファミリーマートFamiポートにて
2019年10月23日(水)12:00〜 発券開始!
※ファミポート直販、WEB(PC・スマホ)
詳しくは公式サイトにて https://hkrk.jp
提供元:アンサー・エンタテインメント
企画・制作:ROCKIN’ON JAPAN編集部