それぞれに「RED NIGHT」「BLACK NIGHT」と銘打たれたライブの、この日は初日=「RED NIGHT」。巨大なドーム会場の中央、赤と黒で彩られた円形ステージから、棺の形をした3本の花道が客席エリアに長く伸びている、という舞台設定だけでも血が騒ぐ。
そこへ、舞台頭上のビジョンに映し出されたプロデューサー=KOBAMETALの「『RED NIGHT』『BLACK NIGHT』はふたつでひとつの物語」「『BABYMETAL』『METAL RESISTANCE』という“鋼鉄の調べ”を2日間ですべて披露」「一度奏でた“調べ”は二度繰り返し奏でることはできない」「MCもなければアンコールもなし」というビデオコメントが厳かに響くと、場内は雄叫びにも似た大歓声に包まれていく。そして――。
円形ステージ狭しとBABYMETAL&神バンドが展開したり、回る舞台に乗って歌い踊りながら360度ぐるりと回転したり、といった大会場ならではの仕掛けのひとつひとつが、3人の歌&アクションと乱反射し合いながら、オーディエンスを熱狂の極致へと誘ってみせる。
鋭利なビート感以上にキレキレのダンスで客席を熱く煽り立ててみせた“シンコペーション”。格段に強さと伸びやかさを増した歌声を舞台頂上から響かせ、巨大な空間を凛とした高揚感で満たしてみせた、SU-METALソロ曲“Amore -蒼星-”。キュートなアクトでドーム一面の三三七拍子クラップを誘ったYUIMETAL&MOAMETAL曲“GJ!”……といった『METAL RESISTANCE』の楽曲群に、“いいね!”“悪夢の輪舞曲”“4の歌”といった『BABYMETAL』のナンバーが織り重なって、多幸感と重轟音とポップと衝撃が入り乱れる一大メタル祝祭空間が生み出されていく。
それまで誰も思ってもみなかった「メタル×ダンスポップ」というコンセプトを明快に体現するだけでなく、それ自体に「世界を揺さぶるメタル伝説」としてのフォルムと熱量を与えてきた、SU-METAL/YUIMETAL/MOAMETALの3人。「世界をメタルでひとつにする」という途方もない物語を、この瞬間の紛れもない「現実」として轟かせるだけの輝度と迫力が、この日のアクトには確かにあった。
そして、この日最大のハイライトとなったのが、『METAL RESISTANCE』の終章を飾る“Tales of The Destinies”〜“THE ONE”の組曲的展開だった。曲調が次々に変わり変拍子も入り乱れるドリーム・シアター的なプログレッシブメタルの世界が、紛れもないBABYMETALのパフォーマンスとして結晶していくスリリングな流れに、怒濤の大歓声が広がったところで、この日は英語バージョンで披露された最終曲“THE ONE”へ。
観客が首に巻いたコルセットが輝き、暗闇を一面白く染め上げる中、金色のガウンをまとった3人が花道に姿を現し、神バンドのパワフルなサウンドとともに雄大なメタルスペクタクルを編み上げていく……どこまでもストイックに、荘厳に、かつポップに、自らの表現を最大限にスパークさせてみせた、魂の激演だった。
1.Road of Resistance
2.ヤバッ!
3.いいね!
4.シンコペーション
5.Amore -蒼星-
6.GJ!
7.悪夢の輪舞曲
8.4の歌
9.Catch me if you can
10.ギミチョコ!!
11.KARATE
12.Tales of The Destinies
13.THE ONE -English ver.-