『MANIA“C”HRISTMAS』というタイトル通り、マニアックなことをやるのがテーマ。マニアックの方向は、以下の3種類。
3曲目~8曲目のブロック=メンバーそれぞれがやりたかったマニアックな曲をやる。
9曲目~13曲目のブロック=「MANIA CLUB BAND」の演奏で、RIPの人気曲たちをマニアックかつ意外なアレンジにしてお届けする。
14曲目~19曲目のブロック=公式サイトの投票で募った「ファンが聴きたいマニアックな曲」を5位から1位までプレイする。
でした。下のセットリスト、曲のあとにカッコで、誰の選んだ曲なのか、人気投票で何位だったのか、書いておきますね。
なお、頭の3曲はそのどれでもなく、つかみというかサービス的なブロック。1曲目は、RYO-Z曰く「今、初めて人前でやった」話題の最新曲。2曲目と3曲目はライブで定番の人気曲だけど、いずれも全然違うアレンジに生まれ変わっていました。特に“Underline No.5”は、もうほとんど原曲の形を留めていない状態。ってこの曲、ライブの度にトラックが変わっている気もしますが。
ちなみに。1回目のMCで、今日のライブの趣旨を説明したあとのRYO-Zのひとこと。
「極意を伝える。知ったフリ、しろ!」
ただし。ざっくり言ってしまうと、マニアックなことをやるということは、喜ぶ人が限られるということであって、お客さんよりも自分たちの満足度を優先するようなことは絶対にやらない、お客さんの満足がないと自分たちの満足はない、というのがRIPなんじゃないの? と、この企画を知った時はちょっと疑問だったのだが、「そんなこたあわかっている」「わかった上でやる」「だから、あえてそれをやる意味のあるライブにする」「その自信がなきゃやらない」のがRIP SLYMEなのだった。
とにかく、おもしろかった! 最初の「メンバーがやりたい、めったにやらない曲ブロック」も新鮮で楽しかったし、バンドで演奏された次のブロックも「うわあ、“one”こうなるんだ!?」みたいな驚きがあったし(全員アコースティック・ギターとアコーステック・ベースでドラムなしだったのだ)、最後の人気投票ブロックはただひたすら意外で全然読めなかったし。
というわけで、全体に、「マニアックとか言っててもRIPがやるとこうなる」ということを立証する、ひたすら楽しく面白く刺激的なライブだった。照明や衣裳や構成なんかの演出も、いつもだけどすばらしかった。11曲目“熱帯夜”ではポールダンサーが登場、ステージ後方の天井まで伸びたポールにからみながら、「エロ」というより「アクロバット」に近いダンスを披露してくれました。あと、二度目のアンコールでは、シャボン玉がフロアを覆い、とてもファンタジーな光景になりました。
ほんとにこの人たち、日本有数だなあ。と、観るたびに思う。フェスで観ても、こういうライブハウスで観ても、毎回、必ず、つくづくそう思う。今年も楽しませていただきました。
あと、大笑いだったのが、アンコールの1曲目。RYO-Zが“MANNISH BOY”を歌いながらひとりで出てきて、途中でやめたんだけど、この曲、40曲ぐらいを選んでファンからの投票を募った中で、ぶっちぎりの最下位だったそうです。4票しか入らなかったという。ギャグにしてたけど、結構マジにショックを受けていそうなRYO-Zさんでした。(兵庫慎司)
1.星に願いを
2.Hot chocolate
3.Underline No.5
4.BOUND to REBOUND (FUMIYA)
5.BLACK DADA (RYO-Z)
6.光る音 (ILMARI)
7.Why (PES)
8.ナイトライダー (SU)
9.one
10.Present
11.熱帯夜
12.ステッパーズ・ディライト
13.NP
14.花火 (5位)
15.運命共同体 (4位)
16.ジグソウル (3位)
17.M・I・L・K (2位)
18.Disco-munication (1位)
19.Supreme
アンコール
20.MANNISH BOY
21.マタ逢ウ日マデ
アンコール2
22.Beauty Focus