6月18日に渾身の4thフル・アルバム『STANDARD』を発表し、すこぶる良好なチャート・アクションを記録中の locofrank。9分近いドラマ仕立ての長尺ミュージック・ビデオも話題となる中、全国38カ所を巡るレコ発ツアー『STANDARD TOUR 2010』が聖地・下北沢SHELTERからスタート! ゲストに迎えたのはロコのほぼ全てのレコ発をサポートしているハマの盟友・OVER ARM THROW(以下OAT)とあって、会場には入り切らないほど大勢のキッズが詰めかけた(中には北海道から駆け付けたツワモノも!)。
先陣を切ったのは、自身もDOLCEとの『DORAMA TOUR』真っ最中のOAT。「今日は好きなように遊んで帰れよ! イケるか!?」とキク(菊池信也/Vo&G)が煽って、フロアのボルテージを一気に沸点へと持ち上げていく。数あるメロディック・バンドの中でもトップ・クラスのシンガロング誘発値を誇る彼ら、“Thanks”などキラー・チューンズで畳み掛ければ、フロアは盛大に「オーオォオー!」。ロコとの思い出話も交えながら(激似モノマネも披露!)、場内にいくつもの歓喜のコブシを屹立させたOATだった。
しばしの転換の後、いよいよlocofrankが登場。ちいさく「行こうか?」と木下(Vo&B)が呼びかけ、森(G&Vo)がザクザク“Gold mine”のリフを刻み、ドカドカと笹原(Dr&Cho)のリズムが重なるのを合図として、フロアにモッシュ&ダイブが勃発! オイ・コールも盛大に、SHELTERは暴走気味にヒート・アップしていく。「『STANDARD TOUR 2010』、始まりましたね。平日にもかかわらずお出でくださってありがとうございます! 俺たちの冠なんで今日は長くやらせてもうわ。サイコーの1日にしよう!」と、既に最初のブレイクで汗だくの木下だ。ツアーの初日ながらバンドの繰り出す音塊は半端じゃなくタイトで、12年というキャリアに裏打ちされた三位一体のアンサンブルで畳み掛けるロコ。日々いろんなバンドのライブを見させてもらってますが、今のロコくらい勢いと意志あるサウンドを鳴らせるバンドって、そういないと思う。本当に。
火花の散るようなフロアとステージの摩擦熱によって、中盤に差し掛かる頃には場内は異様なほどの熱気が充満。酸素濃度はどんどん希薄になるわ、立ってるだけで止めどなく汗は流れてくるわ、キッズはガンガンぶつかってくるわで、正直レポーターとしてはかなりの修羅場だったけれど(苦笑)、熱血的とも言えるロコのパフォーマンスに感化されて幾度も血の滾る瞬間を堪能。自分たちの納得できることを納得できる形でしかやれない、どちらかと言えば不器用な部類に入るバンドである彼らが、不器用ながらも自分たちのやり方を貫き通し、自信たっぷりに音を奏でている姿は頼もしい限りだった。「有り難いことに、俺たちはこの3人で10年以上バンドやってこれました。良いこともあれば悪いこともあったわ。でも、好きやからこそ何かを背負わなアカンし、何かを貫き通さなアカン。俺たちは1分でも1秒でも長くバンドをやっていたい、このメンバーでlocofrankをやっていたい。そこに君たちがいてくれるなら、それは最高の誉れです。これからもよろしく!」――そんな木下のMCにも、バンドの自負がヒシヒシと感じられた。
アンコール含め約100分にわたって激闘を繰り広げたロコ。「12月10日のファイナル(新木場STUDIO COASTワンマン!)に向かってひたすら突き進んで行きます!」(笹原)と力強い宣言を残し、3人は意気揚々とツアーに繰り出したのだった。無事の帰還を心待ちにしております!(奥村明裕)
locofrank @ 下北沢SHELTER
2010.07.06