アメリカのファスト・フード・チェーンの元祖ともいわれるホワイト・キャッスル社は、本社があるオハイオ州コロンバスでアリス・クーパーの名誉の殿堂入りを認めたとハード・ロック・サイトのブラバーマウスが伝えている。
特に「スライダー」として知られる四角いパティの小ぶりのバーガーで有名なホワイト・キャッスルだが、この殿堂はホワイト・キャッスル・クレイヴァーズ・ホール・オブ・フェイムといって、直訳するとホワイト・キャッスルの病み憑きファンの名誉の殿堂というもの。アリスはホワイト・キャッスルのオーナー一家と現在の副社長、そして社員らが待ち受ける部屋に迎えられ、アリスの楽曲を披露するバンド演奏でもてなされ、その後、名誉の殿堂入りを標した銘板を手渡されたという。なお、バンドが『ビリオン・ダラー・ベイビーズ』からの"ノー・モア・ミスター・ナイス・ガイ"を演奏した時にはアリスがパフォーマンスに参加する一幕もあったとか。
アリスはこの栄誉を「俺の友達ロッカーのみんなもこれは羨ましく思うだろうな」と称え、2011年に殿堂入りしたロックンロール名誉の殿堂と較べてどうかという問いには「較べようがないよ」と答えたという。
これまでアリスは無類のホワイト・キャッスル・バーガー好きであることを公言してきていて、自身のラジオ番組で頻繁にそのことについて触れている。また、今年の4月に行われたニューヨークのトライベッカ映画祭での自身のドキュメンタリー作品『超絶! 衝撃! アリス・クーパーの世界』のプレミエ上映会会場でもホワイト・キャッスルのスライダーを振る舞ったことが報じられている。なお、『超絶! 衝撃! アリス・クーパーの世界』は5月に映像作品としてリリースされている。
また、アリスはザ・ドアーズ、ジミ・ヘンドリックス、ジョン・レノン、ザ・フーらの作品のカヴァーのレコーディングを進めていて、70年代半ば頃に自ら「ハリウッド・ヴァンパイア」と命名したアーティストたちの作品も取り上げていくつもりだとか。ちなみに「ハリウッド・ヴァンパイア」とは自身のほか、バーニー・トーピン(エルトン・ジョンの作詞家)、ハリー・ニルソン、ミッキー・ドレンズ、ジョン・レノン、リンゴ・スター、キース・ムーン、キース・エマーソンという顔触れを指すといわれている。この顔触れのいわれは、ロンドンでも、ハリウッドでも、70年代のある時期、なぜかこの面子で夜な夜な痛飲することが多かったとのことだ。アルバムは来年の早い時期のリリースを予定していて、この新作のために特に書いた新曲も「4、5曲」収録されるという。
なお、アリスは現在、モトリー・クルーの最後のツアーとなる「ザ・ファイナル・ツアー」の北アメリカ公演分に同行中だ。