4月29日(水)に待望の新作『ザ・マジック・ウィップ』をリリースするブラーだが、グレアム・コクソンは新作について「前向きで大きな句読点となった」と語っているが、その一方でこの新作がある章を明確に終わらせるものなのか、あるいは本そのものを終わらせるものなのかどうかはわからないと語っている。
バンドとしては『シンク・タンク』以来12年ぶりとなる新作についてグレアムはアンカット誌に次のように答えている。
「ぼくとしては今度の新作ですごく前向きで大きな句読点が打てたと思ってるんだ。でも、ある本を締め括る読点になっているのか、あるいはある章を締め括る読点になっているのかどうかはぼくにはわからないんだ。まだぼくたちの誰にもわかってないことだとぼくは思うよ」
「だからといって、ぼくたちの誰かが音楽活動をやめてしまうことにはならないからね。ぼくたちにとっては音楽は絶えずなにか起きてるものなんだ。デーモンだって、ブラーだろうと、ほかのなんだろうと、常に音楽ととりとめもなく関わっていくことになるはずだよ」
さらにグレアムは新作のアプローチについて「まったくプレッシャーのない形で制作されたから、すごくそれがよかったんだよ。実験的なんだけど、強いて実験的にしたというものじゃないんだね」と語っている。
「ぼくの印象では、これはSF的フォーク・ミュージックなんじゃないかと思うんだよね。あのイギリス的な憂いもここにはあるし。だから"ニュー・ワールド・タワーズ"では途中にSF的な"グリーンスリーヴス"のパートを入れようと思ったんだよ。イギリスの男子としてぼくたちはこの歳になるまで、音楽業界がこの30年でものすごく衰退していった様を見てきたし、さらに前のアルバムを作ってから世の中がどれだけ変わってしまったかということも目撃してきたと思うんだ。そうしたことをすべて反映している作品だと思うんだけど、それと同時に今この時、この場所にいる、この年齢のぼくたちを映し出すものでもあるんだ。特にデーモンの歌詞を解釈するという、デーモンとのテレパシー的な繋がりの最も刺激的なところはそういうところなんだよ。すごく自分には楽にそのテレパシーを感じ取ることができるし、それはいまだかつてないことなんだよ」
なお、グレアムはこれまでにも新作がデーモンとの関係をあらためるものだったと次のように語っている。
「デーモンとぼくはこのアルバムのおかげでお互いへの敬意をもっと強くすることができたと思うし、お互いにその敬意を表することになんのためらいも感じてないんだよ。ただ、ぼくたちはこれまでに長い歴史を潜ってるし、ぼくたちの友情も、どんなバンドの二人の人間の間における友情とも同じように、いろんな出来事を経験してきてるんだ。さまざまな試練もあったし、お互いに相手のことを失望させたこともあったんだよ。このアルバムはね、『この20年間、こんなやりにくいやつで本当に悪かったね』ってお互いに詫びるものになってるんだよ」
(c) NME.COM / IPC Media 2015