「調子に乗りすぎて、あまりにもヘヴィ・メタル色が強すぎてジョークかパロディの域になったこともあるんで(笑)。そのつど軌道修正して、王道のウィーザー的サウンドに寄せたりとか、バランスをどう取っていくかという」
バンド初のフル・オーケストラ・アルバム『オーケー・ヒューマン』を今年1月にリリースしたばかりのウィーザーが、新作『ヴァン・ウィーザー』を引っさげて早くも帰還!
しかもタイトルからして一目瞭然、ヴァン・ヘイレンを筆頭とする80年代ヘヴィ・メタル、ハード・ロックへのオマージュたっぷりの痛快ロックンロール・アルバムに仕上がっているのだ。ギター・ヒーローに憧れた少年時代の記憶が現在の彼らをドライブさせ、ロック・バンドをやっているその人生に再び喜びを齎している。
そもそも彼らは『オーケー・ヒューマン』より先に『ヴァン・ウィーザー』の制作を始めていたのだが、新型コロナウイルスの感染拡大によってレコーディングの中断が余儀なくされ、先に『オーケー・ヒューマン』を完成させるに至った経緯がある。
リヴァースが昨年亡くなったエディ・ヴァン・ヘイレンを哀悼して本作を捧げることになったのも、偶然だったと言える。しかし、偶然の重なりによる紆余曲折を経た本作がかくもポジティブな作品になったこと、そしてコロナ後の世界への希望を必死に見出そうとしている2021年半ばの私達の元に届けられたのは、必然にも感じるのだ。(粉川しの)
ウィーザーのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。