【JAPAN最新号】THE ORAL CIGARETTES、1年ぶりの全員インタビュー。渾身の傑作『SUCK MY WORLD』を生み、新曲“Red Criminal”へーーその葛藤と新たな覚悟の日々を、今語る

ロックバンドであることをもう1回突きつけたかった。インディーの時に戻るというか――
4人が集まったらひとつのロックバンドになる、そのかっこよさを提示していく(山中)

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』8月号にTHE ORAL CIGARETTESが登場!

1年ぶりの全員インタビュー
渾身の傑作『SUCK MY WORLD』を生み、新曲“Red Criminal”に至った1年――
その葛藤と新たな覚悟の日々を、今語る

インタビュー=小栁大輔 撮影=YAMA 山添雄彦


このインタビューをさせてもらった6月初旬、4人は「TALK & MUSEUM TOUR」の最中だった。言うまでもなく、オーラルの今を伝える機会を自ら作り、実践していくという活動だったわけだが、それはやはり、彼らが過ごしてきたのが「この1年」だったからこそ必要な時間だったのだと思うのである。「この1年」――。人それぞれに「この1年」の実感は異なっているだろう。オーラルに関して言うなら、「この1年」とは、「『SUCK MY WORLD』を発表してからの1年」ということになる。

拓也自身をして「すべてを懸ける」と宣言して作り上げた「ロック」アルバム、『SUCK MY WORLD』。「ロック」というより、「ロックバンド」アルバムと言ったほうが正しいような、文字通り、渾身のアルバム。しかし、このアルバムを引っさげてのツアーを回り切ることはできなかった。それは誰のせいでもないが、あのすべてを懸けた覚悟は、だから今もまだ4人の手元にあり、白黒も落とし前もついていないーーそういう心持ちだったのだと思う。そう例のない「TALK & MUSEUM TOUR」を敢行したのも、先日ついに発表された2022年のツアーに今再び『SUCK MY WORLD』の名が冠されているのも、つまりはそういうことなのだと思う。オーラルの1年。それは自ら生み出した覚悟の証=『SUCK MY WORLD』に向き合い続ける1年だったのである。

今回のインタビューは、後にも先にもないであろう日々を、4人それぞれに語ってもらうものになった。そして、そんな日々の中でつかんだ新しい果実、新曲“Red Criminal”が生まれる背景までを語ってもらうものになった。大きな円環を回ったような、落ち着いた空気をまとった4人とじっくり話をしてきた。(小栁大輔)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2021年8月号より抜粋)




『ROCKIN’ON JAPAN』2021年8月号