現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』12月号にgo!go!vanillas・牧達弥が登場!音楽は、誰かに教わったとかじゃなくて、
自分たちで見つけていった。
それって、何も持ってなかった俺らが
唯一持ってたものだったと思うんですよ
go!go!vanillas、牧達弥3万字インタビュー 「大分・少年編」。
自分で見つけた、自分だけの夢――黄金期を迎えた10 周年のバニラズ、 その源泉の物語
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=岡田貴之
go!go!vanillasは不思議なバンドだ。彼らの姿をぱっと見てもまったく不思議には見えないし、彼らの音楽をぱっと聴いても少しも不思議には聴こえない。でも、彼らが10年前に登場してから現在までの道のりを知って、今の彼らが若い世代からどんなふうに受け入れられているのかを知れば、彼らがとても特別なロックバンドであることが見えてくる。今月号と次号の2ヶ月の連載は、それを明らかにする企画である。3万字インタビューでボーカルの牧達弥の半生を語ってもらうことで、とことん深掘りすることができた。
バニラズはロックバンドが4つ打ちのビートでライブハウスやフェスのお客さんを盛り上げて勝ち上がっていくのが定番だった時代の中で闘ってきたバンドだ。でも、J-ROCKではなく洋楽ガレージロックやアイリッシュパンクがルーツであり、4つ打ちというよりロックンロールやモータウンのビートがベースであるバニラズは、その中で長い苦戦を強いられた。それでも彼らは独自の音楽性を守りながら、同時にアップデートとブラッシュアップを重ねながら、しっかりとポジションを守り通してきた。そしてコロナ禍の中で、サブスクを通して楽曲の独自性や濃さがしっかりと伝わる時代になってからバニラズの存在感は若い世代の中で浸透していった。やがてライブやフェスが再開してからは、長い苦戦の時期に鍛えられた彼らのライブパフォーマンスはようやく広く受け入れられて、フェスでもメインステージの満員の若い観客を「バニラズ独自のグルーヴとハッピーな空間」で大きく包み込むような、そんなライブを実現することができている。長い間彼らを見守ってきたファンにとってそれは何よりも美しい光景で、きっとメンバーも今はそんな幸福な手応えを感じているはずだ。
そんなバニラズの奥深い部分を、このインタビューでより多くの人に知ってもらえたら、と思う。
(山崎洋一郎)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)
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