『めざましテレビ』のテーマソングとしてSUPER BEAVERが書き下ろした“主人公”。渋谷龍太が「名曲」と断言するとおり、これはすごい曲だ。歌詞でもサウンドでも歌でも、今ビーバーが何と向き合い、何を見つめ、何を歌おうとしているのか、すべてを恐るべき精度と丁寧さで表現した、決定的な楽曲だ。ここに込められている──先行して配信された“まなざし”にも、国立代々木競技場 第一体育館で開催されたフリーライブとFCライブで彼らが見せた姿にも通じる──現在のSUPER BEAVERのテーマ。それは言葉にするなら、彼らが言い続けてきた「あなた」をさらに解像度高く据え直すことであり、ここまで積み重ねてきた時間と経験の上にしっかりと立って歌うということであり、年齢を重ねた今の視点から、下の世代に向けて繋いでいくということだ。「君は大丈夫」とか「俺たちは変われる」じゃなくて、変われないかもしれないけど、ちょっと救いがあるだけでまだやれる可能性がある
結成から20年、メジャー再契約から数えても早5年。一つひとつ紡いできたものを改めて俯瞰しながら、SUPER BEAVERはより大きな視野で人に相対し、一人ひとり違う人生とそこで生まれる感情を、ひとつたりとも逃さずに掬い上げようと突き進んでいる。そういう意味でもこのアニバーサリーは、単なるお祝いだけではない、ここから先バンドが歩んでいくためにもとても需要な通過点となるはずだ。ライブのこと、楽曲のこと、そして渋谷龍太を襲った喉の不調のことまで、今回も彼らは今感じているすべてを包み隠さず語ってくれた。
インタビュー=小川智宏 撮影=アミタマリ
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年8月号より抜粋)
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