25歳青年、キラーズのせいで電車から追い出される

電車の中で紙にバンドと曲の名前を書いていた25歳の青年が、警備員によって乗車を拒否されるという事件がイギリスで起こった。

その青年、トム・ショーは電車に乗っている時に自身のバンド「ザ・マジック・マッシュルームズ」が今後のライブでどんな曲を演奏したらいいか考えていた。しかし電車がフェアハム駅に停車すると、サウス・ウエスト鉄道の警備員がやって来て彼に電車から降りるよう命じたという。

彼が紙に書いていた曲の中にはザ・キラーズの“オール・ディーズ・シングス・ザット・アイヴ・ダン”があったが、このとき彼はキラーズに「The」をつけず、「Killers」とだけ書いていたという(「The」がつくとバンド名のニュアンスが出るが、「Killers」だけだと単に「殺人者たち」の意味になる)。紙には他にフランツ・フェルディナンドの“テイク・ミー・アウト”も書かれていた(フランツ・フェルディナントは1914年に暗殺されたオーストリアの皇太子。「Take Me Out」は「ここから連れ出してくれ」の意味)。

インデペンデント紙によれば、トム・ショーは2人の警備員から行動が不審だと言われ、紙に書いているものの説明を求められたという。サウス・ウエスト鉄道の担当者は警備員がショーに電車から降りるように求めたことを認めている。

「私たちは鉄道ネットワークにおける乗客たちの安全を確保するため、イギリス鉄道警察と密接な関係を持っている高度にプロフェッショナルな鉄道職員チームを雇っています」と彼女は話している。

「3月上旬にも通常どおりの厳戒パトロールを行っており、彼らはフェアハム駅のホームで1人の乗客と話をしました。チームはその人物に職務質問を行い、その説明が信用に足るものだったため、彼を再び電車に乗せました。警戒の手を緩めることのできない現在の状況に対する理解と協力に感謝したいと思います」

学習障害を持つ子どもたちのために働いているというトム・ショーは、こうした態勢が理解できないと話している。「彼らは僕が不審な行動をしているって言うんだ。理解できないよ。だって変だろ、僕は曲のリストを書いていただけなのに」

「僕らは近々ライブがあるから、自分たちが演奏できる曲を書き出していたんだ。警備員には1曲ずつ説明させられたよ」

リストには他にオアシスの“シガレッツ・アンド・アルコール”やザ・マジック・ナンバーズの“ラヴ・ミー・ライク・ユー”などがあったそうだ。

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