LCDサウンドシステムは7月3日にロンドンのハイド・パークで行われたワイアレス・フェスでヘッドライナーを飾ったが、ファンがボトルを数本ステージに投げ込んだのに怒って、ぶち切れる一幕も見せた。
サード・アルバム『ディス・イズ・ハプニング』を5月にリリースしたばかりのLCDサウンドシステムだが、エキサイト気味のオーディエンスを叱責するためライブを途中でいったん中止することになった。
「おい、その辺に紛れ込んでる匿名クソ野郎、もう一回おれの顔に投げてみろよ、そうしたおまえの顔を蹴り込んでやるから」とボーカルのジェイムス・マーフィーは声を荒げた。「そうしたら治療費くらいは出してやるよ」。
騒然としていたオーディエンスもやがて落ち着いてくると、ジェイムスがオーディエンスの一角を指差して「ぼくはこの一帯のお客さんが一番好きだな。男子と女子とが一緒に混ざってモッシュしてるからね。それが一番いいことだよ」と説明すると観客も歓声を上げた。
バンドは3枚のアルバムからの楽曲をまんべんなく紹介し、“オール・マイ・フレンズ”“ルージング・マイ・エッジ”などの楽曲が温かく迎えられていた。
この日の早い時間にはミッシー・エリオットも登場し、“ワーク・イット”“ゲッチュア・フリーク・オン”などのヒット曲を含んだセットを演奏したが、ミッシーが30分遅刻してタイム・スケジュールを過ぎてしまったため、“ルーズ・コントロール”の途中で音を切られるという憂き目にあった。
フェスの初日に登場したザ・ティン・ティンズはディスコ・ポップ調の新曲を披露し、ダンサーに「WORK」「DANCE」などといったサインを掲げさせていた。
セットは“ザッツ・ノット・マイ・ネイム”“グレイトDJ”などのヒット曲を軸に構成した内容のものになった。
ライブを終えると、ボーカルのケイティ・ホワイトは「スタジオからこうやって逃げられると最高ね」とオーディエンスに伝えた。
この日のヘッドライナーのピンクはクレーンを使ってステージに降りるという果敢なパフォーマンスを見せるものとなり、風船や道化や大砲なども用意した周到に作りこまれてショーアップされたショーとなった。
「わたしたちはビッチとして初めてこのフェスのヘッドライナーを務めさせてもらうから」と言って始まったライブはヒット曲満載の内容となったが、プロデューサーのブッチ・ウォーカーとのデュエットを見せるパートではザ・フーの“マイ・ジェネレーション”とグリーン・デイの“バスケット・ケース”のマッシュ・アップを聴かせる一幕もあった。
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