ボブ・ディラン、『ボブ・ディラン自伝』続編など単行本6冊もの出版契約を交わす

1966年作 『ブロンド・オン・ブロンド』

ボブ・ディランはアメリカの大手出版社、サイモン・アンド・シュスター社と6冊分の出版契約を結んだと業界紙のクレインズ・ニューヨーク・ビジネスが伝えている。

6冊のうち2冊は2004年に出版された『ボブ・ディラン自伝』の続編、もう1冊はインターネット・ラジオでボブが2006年から丸3年間司会を務めていた番組『Theme Time Radio Hour』でのボブの語録を収録したものになるとか。ただ、残り3冊の内容についてはまだ不明だという。ボブは作家としては大手代理店のアンドリュー・ワイリー社にこうした交渉を一任しているが、クレインズの報道によると、ワイリー社は今回の契約にあたって、もともと8冊分もの契約を申し出ていたという。

その一方で、ボブは『ボブ・ディラン自伝』の続きについては、2巻ではおそらく1966年の『ブロンド・オン・ブロンド』までしかいけないだろうと、ローリング・ストーン誌にかつて語っている。それからはどんどん先へと行くつもりだとボブは語っていたのだが、その後の自身の半生で興味深い時期としてボブは1990年の『アンダー・ザ・レッド・スカイ』を制作していた時期を挙げている。

この時期、ボブは『アンダー・ザ・レッド・スカイ』とジョージ・ハリソン、ジェフ・リン、トム・ペティとで組んでいたトラヴェリング・ウィルベリーズとしてのセカンドを同時に制作していて、日中はトラヴェリング・ウィルベリーズで必ず1日1曲を仕上げるというペースを強いられ、夜は『アンダー・ザ・レッド・スカイ』用にプロデューサーのドン・ウォズに会いに行くという生活を続けていて、どん詰まりな心境だったと語っている。「毎日、ドンはぼくのためにバンドを揃えてくれてて、なんの目的もなく、ただオールスターのバンドが召集されていたんだ。この頃のぼくはスタジオに入っても、まったくなんの作品も用意してきていなかったんだよね。すべてに幻滅してたんだよ」。