ウィルコのジェフ・トゥイーディ、新作は「バンド史上最も高飛車で不遜な作品になるかも」と語る

02年作 『ヤンキー・ホテル・フォックストロット』

2009年の『ウィルコ(ジ・アルバム)』に続く新作が待たれるウィルコ。昨年で02年の名作『ヤンキー・ホテル・フォックストロット』以来の古巣にしていたノンサッチ・レコードとの契約も終了し去就が注目されていたが、バンドは自らのレーベル、dBpmレコードを設立し、9月リリースを見据えて現在新作を制作中だとか。

作業そのものは「ちょっとずつ進んでいるという感じだね」とジェフ・トゥイーディはスピン誌に語っている。「オーバーダヴとかトラッキングもいくつかやってるけど、まだまだ先は長いね」。

現時点で新作は『Get Well Soon Everybody』という仮タイトルで進んでいて、およそ20トラックほどレコーディングを終えているそうだ。ジェフによれば、作品の傾向は大体2つあって、1つが実験的なロックで、もう1つが「映画を思わせるようなサウンドのカントリー・ミュージックっていうか……だから、まあ、フォーク・ミュージックだな」とのことだ。

たとえば、“Art of Almost”というトラックは『ウィルコ(ジ・アルバム)』の“ブル・ブラック・ノヴァ”や『ゴースト・イズ・ボーン』の“スパイダース(キッドスモーク)”に似た雰囲気を持つ実験的な曲で、フリー・ジャム的な展開からパンク的な終盤へと雪崩れ込む2部構成という内容で7分間にわたって演奏される。この曲などはニール・ヤングに触発されたもので「もともと『今宵その夜』のニール・ヤング的な雰囲気があったんだよな。ただ、正直言って、どうしてこんなことになっちゃったのかよくわからないんだよ。なんかどんどん突然変異を続けていって、最終的には全員で気に入ってる形になってるんだけど」とジェフは説明している。

さらに“Song for Jane Smiley's Boyfriend”という曲などはジェフの自伝的内容になってしまい、14分に及ぶジャム・セッション的演奏に合わせてヴァースを10節も歌うことになって「ちょっと長い物語になっちゃったんだよな」とのことだ。

ジェフはこの作品は場合によってはCD2枚組になるかもしれないとも語っていて、内容的にも最も冒険的な作品になるかもしれないと語っている。「ポップ・レコードとしてはこれまでみんなに聴いてきてもらったものよりも高飛車で不遜なところはあるかもしれないね。でも、そこがすごく楽しいんだよ。だけどさ、このレコードが出ることになったら、きっと最速レビューを書き込みたくてコンピューターに『それで?』って打ち込んで待ち構えてるやつとかいるんだろうなとは思うよ」。

ただ、バンドはもちろん、聴きやすくポップで簡潔なトラックも制作していて、さらに6月にバンドがキュレーターを務めるソリッド・サウンド・フェスティバルにあわせて、新レーベルからの初シングルのリリースも予定しているとか。この7インチ・シングルはA面に新曲“I Might”を収録し、B面にはニック・ロウの“アイ・ラヴ・マイ・レーベル”を収録するという。