スティーヴィー・ワンダーがアポロ・シアターの名誉の殿堂入り

1963年作『With a Song in My Heart』

スティーヴィー・ワンダーは6月13日にニューヨークのアポロ・シアターの名誉の殿堂入りを表彰された。

ニューヨークのハーレムにあってR&Bやソウルの登龍門として数々の名演の舞台となってきたアポロ・シアターだが、劇場が主催する春の特別公演で今回のスティーヴィーの殿堂入りが発表され、プレゼンター役を務め、この日の共演者でもあったトニー・ベネットがスティーヴィーを表彰した。この日の公演でスティーヴィーはトニーのほか、オールドスクールMCのダグ・E・フレッシュ、作曲家のポール・シェイファー、ジャズ・ピアニストのチック・コリアらとの共演を繰り広げた。

アポロ・シアター名誉の殿堂では劇場とゆかりの深いアーティストが表彰されていて、これまでにアレサ・フランクリン、エラ・フィッツジェラルド、ジェイムス・ブラウン、マイケル・ジャクソンらが殿堂入りを果たしている。

殿堂入りの発表の後、スティーヴィーはこう語っている。「ぼくがアポロで過ごしてきた時を愛しく思い出しては耽っていくような瞬間になりましたが、それと同時に、今晩ぼくと共演してくださっている素晴らしい面々との触れ合いもまたこうして満喫させてもらっています。アポロの名誉の殿堂で表彰されている人たちのひとりになれるということは本当にとんでもないことだと思います」。

スティーヴィーがアポロに初出演したのはまだリトル・スティーヴィーと呼ばれていた子供時代の頃で、あまりの緊張からボンゴを床に落としてしまったとか。1960年代半ばまでアポロ・シアターはさまざまなR&Bアーティストのキャリアを固めたことで知られていて、アポロで好評を博したアーティストはその後キャリアが拓けることが多かった。

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