パルプのジャーヴィス・コッカーは、タブロイド紙などのプレスがエイミー・ワインハウスを死に追いやったと語っている。
ジャーヴィスは日常的にメディアの関心を集め続けている状態がこうじてエイミーは酒やドラッグに向かってしまったのだと語っていて、ブリットポップ期のパルプの人気絶頂期には自分も似たような経験をしたとザ・ガーディアン紙に説明している。
「今年エイミー・ワインハウスが亡くなって、あらゆる報道が『ドラッグがエイミー・ワインハウスを殺した』っていう調子だったよね。でも、ぼくはドラッグと同様に、プレスもエイミーを殺したと思うよ。というのも、プレスは人を決して休まることのない場所に追い込むからで、追い込まれた人はそこから逃げ出したくなるからなんだ。逃げ出すのに人が酒やドラッグを使うことが時々あるんだよね」
「タブロイド紙や芸能誌が煽る恐怖感っていうのはね、ぼくも昔悪かった頃にはちょっと経験させてもらったけど、外に出たくないっていう気分にさせるものなんだね。それと自意識過剰になってくるから、素行もおかしくなってくるんだ。それとそのことを忘れるために、頭のおかしいようなことをしたくなるんだよ」
先月発表された検死結果では、エイミーの遺体からは酒酔い運転として判断される時の4.5倍ものアルコールが検出されたことが明らかになっていた。
その一方でジャーヴィスはラナ・デル・レイの“Video Games”がトップ10入りしたことを次のように歓迎している。
「ラジオで聴いて、ダウンロード配信で購入して、その音源を自分のBBCの番組で流したんだけど、突然、『このぼくがチャート入りしてる曲をかけてるよ』って気づいてびっくりしちゃったね」
「ぼくはもともとチャートの音楽を聴いて育ってきたし、チャートの音楽がイギリス人の生活の表舞台から転げ落ちてしまったことを嘆いてもいたから、このことに気づいてすごく興奮もしたね。それが今はほんとに足りないからさ。おもしろいものをチャートのなかで探し当てるっていうね」
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