ザ・キラーズのブランドン・フラワーズは昨今のギター・バンドの人気の衰退の原因について、ギター・バンド自身のせいだとしていて、いい曲を書いていないに過ぎないと語っている。
新作『バトル・ボーン』を9月19日にリリースするザ・キラーズだが、ブランドンはダンス・ミュージックが大好きだとしながらも、素晴らしいロック・ソングはダンス・ミュージックには到底できない形で観客をひとつにすることもできると次のようにショートリストに語っている。
「要するにギター・バンドがいい曲を書いてないってことなんだよ。まともな曲を書いてしゃっきりしろって話なんだ。でも、そんな曲ないじゃん。どこにあんの? もともとダンス・ミュージックなんかものすごく強力なロック・ソングに較べたら太刀打ちできないんだからさ。DJで"ミスター・ブライトサイド"や"ドント・ルック・バンク・イン・アンガー"を越えるものをかけられるやつなんていないんだから。こういう曲の方がよっぽど勝ってるんだからさ」
「でも、ぼくはダンス・カルチャーは好きだし、いいもんだとも思うよ。ぼくはそういうものも一緒くたにしていけるようなバンドが好きだし、デペッシュ・モードやニュー・オーダーを聴いて育ったからね。でも、最近じゃ、そういう大きな賭けに出て一発当てようというバンドもいないんだよね」
さらにニルヴァーナとそれに続いたグランジの登場でロックのなにかが死んだという持説についても次のように語っている。
「やっぱりシリアスになりすぎたんだよね。ぼくもグランジで起きたことによってちょっと楽しいところがなくなってしまったと発言してきたから、ぼくのニルヴァーナへの思いも誤解されてるところがあるんだよね。別にニルヴァーナを攻撃したいわけじゃないし、ニルヴァーナは明らかに偉大なバンドのひとつだからね」
「でも、それと同時に確かになにかが死に絶えてしまって、そのグルーヴをぼくたちはまだ取り戻せていないんだよ。野心的であろうとすることは汚いことだと見られてるからね。じゃあ、U2が野心的でなかったらどうなっていたんだろうっていう。U2から受け継いできているものもすべてなかったことになるよね。こういうことはこれまでも人に言ってきたけど、そうの度にこっちの言い分はちゃんと聞いてもらえずに、ただ『あいつニルヴァーナ嫌いなんだ、あのちんこ野郎』ってことになっちゃうんだよ」
また、ブランドンは新作の収録曲で経済問題に踏み込んだ"Deadlines And Commitments"という曲について、イギリスのコメディアンのジム・カーに触発された作品だと説明している。
「一度ジム・カーと夕食を一緒にとったことがあってね、次に人々が飛びつくブレイクとなるレコードがあるとしたら、きっと今の経済問題について触れたものになるよっていう話になってたんだよ」
「(コメディをメインにしたチャリティ・イヴェントの)コメディ・リリーフに出演したら、ジミーもいて、そこで会話を始めたらすごくいい人で親しくなったのが馴れ初めなんだけど、ジミーがヴェガスに来たら会いに行くし、ぼくたちがロンドンに来たら会ってくれるっていうね。それでブルース・スプリングスティーンとか、その辺の話をしてね、きっと誰かそういうレコードを作るよってことを話してたんだよ」
現在ヨーロッパ・ツアー中のキラーズは11月にイギリス・ツアーを予定していて、来年明けにはオーストラリア・ツアーも予定している。
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