ニュー・オーダーのバーナード・サムナー、2001年以降のピーター・フックとの確執をすべて語る


ピーター・フック在籍時の未発表音源から構成された『ロスト・サイレンズ』を3月26日リリースするニュー・オーダーだが、バーナード・サムナーはこれまでことあるごとにニュー・オーダーを罵倒してきているピーターへの返答をスピナーに語っている。

ニュー・オーダーは2011年の12月にピーターを抜いたラインナップでライヴ活動を再開していて、この時のライヴの模様は『Live at the Troxy: 10 December 2011』としてもリリースされているが、ピーターはこの再結成を金目当てだと激しく非難してきたことでも知られている。しかし、バーナードはこの一連のライヴはそもそも初期ニュー・オーダーのヴィデオの数々を制作したマイケル・シャンバーグ支援のチャリティとして行われたものだと説明し、01年の前回の再結成以降、なにがピーターとの間で起きていたのかを次のように説明している。

「どういうことだったのか整理するとね、まずピーターはハシエンダの名前の使用権をひとりで買い占めたことで、ぼくたち全員の神経を逆撫でしたということなんだ。ぼくたちはそれぞれにあのクラブには莫大な投資をしていたんだけど、店が倒産した時、ピーターは店の名前を買い取っていて、それはぼくたちの知らない間にという感じだったんだよ。そして、今度はそれをいろんなところで売り回っていて、もとの店があるところに今は集合住宅があるんだけど、その開発業者にも名前の使用権を売ってたんだ。そういうことが明るみになったのが、ちょうど01年にまた再結成した頃で、それでぼくたちとしてはピーターへの敬意も信用も萎えちゃったんだよね。

その後、ぼくが公に語ってはいけないというピーターが言うところの問題が起きてね。『ウェイティング・フォー・ザ・サイレンズ・コール』のレコーディング中に起きたことなんだけど、自分が話す分には構わないらしいんだけど(ピーターはこの時期アルコール中毒がままならなくなり、リハビリ施設に入所した)。

とにかく、この出来事の治療が終わってピーターが戻ってきたら、ぼくの意見ではもっとひどい人間になってて、日本ツアーの時には、ニュー・オーダーでうまくいかなかったことはことごとくぼくに責任があると糾弾して噛み付いてきてね、みんなでどうしたものかと困惑しちゃったんだよ。ぼくたち全員はぼくたちだけであのアルバム(『ウェイティング・フォー・ザ・サイレンズ・コール』)を仕上げて、ピーターはなんにもやれなかったんだからね。それでぼくも頭に来たよ。でも、ピーターはそれからも、誰も彼もに対して噛み付くようになって、マネジメントに対してもそうだし、とにかく自分以外はみんな『クソ野郎』なんだからさ。

それから南米ツアーに出かけて、その間、ピーターはずっと機嫌が悪くて怒りっぱなしだったんだけど、この頃からセレブDJを頻繁にやるようになったんだよ。そのうちイアン・カーティスの映画『コントロール』用の音楽をやることになって、アントン(・コービン、監督)はアンビエント風の音を希望していて、ぼくはピーターに訊いたんだよ。『もしよかったら、一緒にやらない?』ってね。でも、答は『俺はDJが忙しいからやれない』っていうもんでさ。それと『ロスト・サイレンズ』となったアルバムを本当はこの頃仕上げようとしてて、7曲仕上がっててあと3曲書けばアルバムとして完成するというところだったんだよ。でも、それも『俺はDJが忙しいからやれない』だからね。

そうしたら、突然バンドとなんの申し合わせもなく、ピーターはぼくたちが解散したとアナウンスしてるんだからさ。いきなり世界中で大ニュースになってるわけだよ。おまけにカンヌ映画祭の直前にぶちあげたもんだから、なにを訊かれてもアントンの映画について訊かれなくて、ニュー・オーダーの解散についてばかり訊かれるというていたらくだよ。だから、ぼくたちもプレス・リリースを出して、『ニュー・オーダーは解散していません。ピーター・フックの一方的な言い分に過ぎません』と発表したわけ。それに、ぼくたちは本当にまだ解散していないんだから。ニュー・オーダーはこうして続いているわけで。だから、ぼくたちからしてみれば、ピーターが出て行っただけの話なんだけど、ピーターは『俺はやめる』と言いたくなかったんだね(笑)。

その後、ジリアン(・ギルバート)が健康を崩すということがあったから、スティーヴ(・モリス)がついてあげなきゃならないということもあってね。ぼくはぼくでバッド・ルーテナントの2009年のアルバム(『ネヴァー・クライ・アナザー・ティアー』)を作ったわけ。そんなことをしていると、元ジョイ・ディヴィジョンのメンバーでもあるぼくとスティーヴは、いきなりピーター・フックがジョイ・ディヴィジョンの『アンノウン・プレジャーズ』の全曲ライヴをやると音楽誌で読むことになるわけだよ! しかも、ジョイ・ディヴィジョンの他のアルバムやニュー・オーダーのアルバムも1枚ずつやっていくとアナウンスして、それをまさに今やってるわけだよね。ということは金のためにやってるのはどっちだよっていう。その辺から偽善が透けて見えてくるっていうさ。

ピーターがそういうことをやりだしたから、ぼくたちも『まいったなあ、ニュー・オーダーを休ませてる場合じゃないよ』って、それでこっちもライヴをやると発表して、そうしたら、ピーターも怒り狂ってね。でも、もうあの時点ではこっちも我慢の緒が切れてたからね。というわけで、現在に至るということだよ。詳しく説明していけば、もっといろいろ話したいことはあるんだけど、イギリスにはね、『自分のチップスに小便をかけるな』という諺があってね、何事もほどほどにしておかないとあとで吠え面をかくということなんだけど、まさにピーターはそういうことになってるわけだよ。でも、楽しくやってくれてるんならそれでよかったなと思うよ。バンドで一緒だった頃は楽しくなさそうだったからね」