キャリア初となるソロ・アルバム『エヴリデイ・ロボッツ』を4月30日に日本リリースするデーモン・アルバーンだが、ブラーがオーストラリアのザ・ビッグ・デイ・アウトへの出演をキャンセルした理由と、ビッグ・デイ・アウトがブラーとして当分の間は最後のライヴになるはずだったことを明かしている。
ブラーはもともと1月と2月にオーストラリアとニュージーランドの6都市で開催されるビッグ・デイ・アウトへのヘッドライナー出演を予定していたが、昨年の11月の時点でフェスティヴァルの運営方法に不満があるとして出演をキャンセルした。
「実際にあの時にあったことをざっくり話そうと思ってたんだけどね」とデーモンは『ニュージーランド・ヘラルド』誌に語っている。
「あれが最後のブラーのライヴになるはずだったんだよ。みんなでライヴをやる最後となるから、すごくポジティヴな響きの中以外では絶対に終わらせたくなかったんだ。ブラーというのはぼくたち全員にとってものすごく重要なものだからね」
「連中(フェス運営側)はぼくに対して正直に対応していなくて、でも、正直に対応してもらわないと困ることだったし、そこで嫌気が差したんだよね。それまで1年間ブラーとしてみんなでやってきたことが、思い通りにならなかったライヴのせいでけちがついたり、色褪せたりすることなんて、絶対に避けたかったからね」
「それまでぼくたちは半年間、ぶっ続けでライヴをやってきたから、素晴らしいライヴと、最高のパフォーマンスとみんながひとつとなるイヴェントをすべて形にしてみせられると、それがぼくにわかってたし、みんなにもきっと楽しんでもらえたはずだと思うんだよ。ぼくが要求したのは、運営側にそのことをすっかり了解してほしいということだったんだけど、そういう態度のようにはぼくには感じられなかったんだ。それで残念だけど、行けなくなったんだよ」
最終的にビッグ・デイ・アウトの直前に行われた日本武道館公演が当分の間のブラーの最後となるライヴとなり、デーモンは武道館公演について次のように語っている。
「日本の武道館でブラーとしてライヴをやったんだよ。"トゥ・ジ・エンド"という曲があって、これはあの時期(『パークライフ』)の終わりを告げる曲で、しかも、ぼくたちも武道館を最後にしばらく一緒にライヴをやる予定もないという状況だったんだ。ぼくは20数年前に書いたこの曲を歌いながら、当時置かれていた状況を心境として感じ取りながら、その一方で映画を観ているような、第三者的な視点が見えてくるような感じがしてたんだ。そうしたら、歌っていくうちに、実はその晩まさに起きていることについて今自分が歌っているような、そんな心地にもなってきたんだよ。もうすっかり自分の感情に呑み込まれちゃってね。あの時、何人いたのか、とにかく大勢のお客さんの目の前でぼくは立ち尽くして両手を天に伸ばしながら、ぼくは恍惚に浸り始めていたんだ。と思ったら、そういう時には大抵そうなるんだけど、歌詞忘れちゃってさ。そうやって、はっと我に戻されるっていうのはいいことだよね。自分の気持ちに浸って悦に入るのもほどほどにということで」
なお、デーモンは『エヴリデイ・ロボッツ』の楽曲でブライアン・イーノと共演している
"Heavy Seas of Love"を公開している。『エヴリデイ・ロボッツ』はXLレコーディングのオーナーで、デーモンとボビー・ウーマックの最新作『ザ・ブレイベスト・マン・イン・ザ・ユニバース』の共同プロデューサーを務めたリチャード・ラッセルがプロデューサーを手がけており、ロンドンにあるデーモンのスタジオで昨年制作された。
デーモンは4月末からライヴを予定していて、ヘヴィ・シーズというバック・バンドを率いることになるが、ギターはセイ、ドラムはパウリ・ザ・PSM、ベースはジェフ・ウットン、キーボードはマイク・スミスが務めることになるという。イギリスでの散発的なライヴの後はフェスティヴァルへの出演を予定している。
"Heavy Seas of Love"の音源動画はこちらから。
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