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開催2回目を迎えた『JAPAN JAM 2011』、いよいよ開幕しました! 「震災から約2ヶ月経とうとしています。この国にはまだ、たくさんの悲しみや苦しみが残っています。だからこそ、僕は祭りが必要だと思っています。たくさんのエネルギーを、このステージに下さい!」という総合プロデューサー渋谷陽一の挨拶に続いて、記念すべきトップバッターを飾ったのは、『JAPAN JAM』初登場のDragon Ash! 照明をやや落としたステージに現れたのは、ギターを携えたKjたったひとり。優しいアルペジオのイントロが響いて始まった1曲目は“Redemption Song”。やがてギターのストロークが激しさを増して他のバンドメンバーが姿を現すと、レゲエなアレンジのイントロで始まったのは、ツアーでも披露していたBOØWYのカバー曲“Dreamin'”! サクのパーカッシブなドラムとKjのラフで力強い歌声が、80年代の日本のロックの名曲に、DA流のヴィヴィッドな生命力を鮮やかに吹きこんでいく。




そして3曲目、関西弁のがなるようなアジテーションで入場してきたのは10-FEET TAKUMA! ということはツアーでも超絶の盛り上がりを見せていたコラボ曲“SKY IS THE LIMIT”である。喉を振り絞って全力で叫ぶTAKUMAのラップと、低音からグッと響くようなKjのラップが機関銃のように交錯し、フロアは早くも今日最初の沸点を迎える。嵐のようなパフォーマンスを終えて、満場の拍手と共にTAKUMAが去ると、ステージはしばし暗転。Kjの「おはようございます。Dragon Ashです」という一言のMCの背後に響くブラック・サバス“Iron Man”の歪んだギターリフ。そして「イエー! エブリバディ! ようこそー! Dragon Ash、エブリバディ!」と叫んで、早くも2人目のゲスト・宮本浩次、登場である。曲はもちろん“ガストロンジャー”! テレビでの共演は目にしていたけれど、こうしてフルメンバーのDAの真ん中で宮本が髪を掻き上げて歌っている姿、やっぱり常識はずれである。まるでキメラ的なモンスターのように、バンドのヘヴィネスとボーカリストの狂気が増幅して猥雑に膨らんでいく。「俺達はロックンロールバンドだ!」という宮本の言葉が、その迫力に一発で説得力を与えてしまうのが、まさにこのフェスの醍醐味だろう。



そして異様な興奮を残して宮本が去ると、スクラッチ混じりで響き渡るイントロは――ニルヴァーナの名曲“Smells Like Teen Spirit”! BOØWYに続いて、自分たちのルーツに捧げる愛情も、今日の彼らは特別素直に見せてくれる。続いて、予告されていなかったゲスト! ラッパ我リヤを迎えた“DEEP IMPACT”から、同じく告知されていなかった盟友:SATOSHI(山嵐)&KO-JI ZERO THREE(GNz-WORD)が登場した“ROCK BAND”への流れで、フロアは2度目の沸点を迎えた。SATOSHIとKO-JIが、感情をいっぱいに乗せたラップのヴァースを吐き出せば、Kjの歌うサビのメロディが、優しく逞しく、会場をいっぱいに包んでいく。ラストはレッチリの“UNDER THE BRIDGE”のイントロと数小節を歌い、そこから“Viva la revolution”“pilgrimage”という流れ。観客のハンドクラップと共に、アコースティックなアレンジでKjの歌声が、まるで清水のようにフロアに染み渡っていく。ミクスチャー・バンド日本代表としての矜持と、楽しさと、未知の可能性のすべてを50分弱のステージに凝縮して、彼らは「どうもありがとう、良い一日を」と言い残してステージを去った。その飾らない後姿は、やっぱり最高に男前だった。(松村耕太朗)

Dragon Ash
ゲスト・アーティスト:宮本浩次(エレファントカシマシ) / TAKUMA(10-FEET)

1 Redemption Song
2 Dreamin'
3 SKY IS THE LIMIT w/TAKUMA(10-FEET)
4 Iron Man~ガストロンジャー w/宮本浩次(エレファントカシマシ)
5 Smells Like Teen Spirit
6 Deep Impact w/ラッパ我リヤ
7 ROCK BAND w/SATOSHI、KO-JI ZERO THREE
8 Viva la revolution