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今回、このコラボレーションを聞いて驚いた人も多いのでは? 松たか子をスペシャル・ゲストに迎えたセッションを行う真心ブラザーズ。なんでも以前から親交はあったそうで、真心側からの強いリクエストによって実現したという。ということは、当然、真心の2人は気合十分なわけで、それは1曲目から明らか。軽快なパーカッションに乗って登場した彼らがいきなり演奏し始めたのは、なんと“ENDLESS SUMMER NUDE”。この名曲を1曲目から出してしまうところからして、もう今日の真心はスペシャルである。ステージ上の2人もとにかく楽しそう。



そして、2曲目、オルガンの魅惑的なトーンから始まった“BABY BABY BABY”で早くもあの人が登場する。YO-KINGが1コーラスを歌い上げたところで、桜井が間奏でMC。「JAPAN JAM 2011! では、早速JAMをやっちゃいましょう」という紹介を受けて、ステージに登場したのは、黒のジャケットに身を包んだ松たか子。あまりの展開の早さに息を呑む会場。「俺、確かめてみるわ……(近づく)キレイ。本物です。この顔で、ロックンロールです」とYO-KING。この意外なコラボレーションがあまりにも自然に実現している事実に驚かされる。YO-KINGの説明によれば、昨年の『soul of どんと』で一緒になり、そのときの縁がきっかけで、今回のセッションが実現することになったという。桜井も言っていたけれど、YO-KINGも、松たか子も本当に声が出ている。そして「ロックンロールを歌う松さんがカッコいいというのを皆さんに知ってほしい」という桜井のMCで始まったのは、キャロルの“ルイジアンナ”のカバー。1コーラス目をYO-KINGが歌い、2コーラス目を松たか子が歌うのだが、この男気のかたまりのような曲を見事に歌ってみせる。畳み掛けるように演奏された“拝啓、ジョン・レノン”のコーラスもバッチリ。「まさか真心さんに声をかけてもらえるなんて思ってなかったし、本当に誘ってもらって幸せです。次の曲はアメリカの古い歌なんですけど、日本語の詞を忌野清志郎さんがつけてらっしゃって、自分のツアーでも歌ってきた曲です」というMCと共に、始まったのは“500マイル”。松たか子がセンターマイクに位置をとり、豊かな声量でこの名曲を歌い上げていく。誰もが「ミュージシャン」松たか子の力を感じたのではないだろうか。意外な組み合わせの驚きを覆す説得力でステージを降りていった。

ここから真心のステージは後半戦。事前の発表ではもうゲストがいないはずなのだが、『JAPAN JAM』らしく、まさにJAMっぽい雰囲気を持つこの曲“マイ リズム”を演奏した後にステージに現れたのは、やっぱり出てきちゃいましたと言うべき本日3度目のステージとなる奥田民生。「どうも、みなさん、はじめまして。今日はお招きいただいて、ありがとうございます……すいません、本当に。今日は恥ずかしさを通り越して、どうすりゃいいんだろうね、これ? もう出ませんからね」というMCをかまし、この3人が揃ったということは、やる曲は決まっている。今月シングルとしてもリリースされるディランのカバー“My Back Pages”だ。民生が原詞を歌い、真心が自分たちの日本語詞を歌う。シングルのB面に収録される3人で作った新曲“絵”も披露。もうこの3人のセッションは、パーマネント・バンド並みの安定感。3人のハーモニーもバッチリ。そして、最後は再び松たか子を呼び込んで、真心×松たか子×奥田民生による“空にまいあがれ”。YO-KINGも言っていた通り、「すごい4ショット」。YO-KINGが歌い、奥田民生が歌い、松たか子が歌う。ここでしか絶対に見られないセッション、その音楽のあたたかさを彼らはステージに残していってくれた。(古川琢也)




◆真心ブラザーズ
ゲスト・アーティスト:松たか子

1 ENDLESS SUMMER NUDE
2 BABY BABY BABY w/松たか子
3 ルイジアンナ w/松たか子
4 拝啓、ジョン・レノン w/松たか子
5 500マイル w/松たか子
6 マイ リズム
7 My Back Pages w/奥田民生
8 絵 w/奥田民生
9 空にまいあがれ w/松たか子、奥田民生