ACIDMANは日本一まっすぐなロックバンドである。
まっすぐな思いをまっすぐな姿勢でまっすぐな演奏とまっすぐな楽曲で伝える。
そこに関して彼らは1ミリもブレたことがない。
凝ったアレンジや音作りやライヴ演出はあるが、それもまっすぐなことをひたすら積み上げた結果、凝ったものに仕上がっただけだ。
今日の日本武道館でのライヴは本来、ツアーの最終日になるはずだった。
しかし震災により延期となった新潟と仙台が残っている。
オオキは最初のMCで今日のお客さんからもらうエネルギーを全て最終日の仙台まで持っていく、そのために今日も全力を出し尽くすということを宣言した。
そしてラストまで、これまでに見たことのないような気迫で巨大な火の玉のようになって演奏しきった。
お客さんもそれに火の玉のように盛り上がって応えた。
見終わったとき、固く分厚い壁を突き破ったような爽快感があった。
いろいろなライヴの形があるが、僕はここまで無防備なくらいまっすぐ純粋な願いを呼応させるライヴができるバンドを知らない。
最終日はとてつもない夜になるだろう。(古河)