ブライアン・ウィルソン追悼特集号の編集後記

ロッキング・オン誌としては初めてのシューゲイザー巻頭特集の制作を着々と進めていた中、スライ・ストーンの突然の訃報、続いてブライアン・ウィルソンの突然の訃報が飛び込んできた。その時点からの表紙巻頭特集の変更はどう考えても無理だったのだが、でもこれはなんとしてもやるべきだと決意して、編集部内で真剣に段取りを考えて、レーベル担当者やライター諸氏、そしてすでにシューゲイザー特集のページデザインを進めてくれていたデザイナー関さんに、多くの協力をお願いすることでなんとか完成することができた。我が編集部は僕を除いて全員20代の若手チームで、ビーチ・ボーイズとブライアン・ウィルソンへの愛情と知識は若手世代なりにしっかりと持っているものの、やはりリアルタイム世代や90年代における大きな再評価の時代を知っている世代とは捉え方に大きな違いがあり、かなり悪戦苦闘の制作だった。ブライアン・ウィルソンの2本のロングインタビューとライター諸氏によるレビューエッセイというストレートな構成にして、それぞれのテキストの内容の深さと濃さでブライアン・ウィルソンの天才性とその功績をしっかりと伝え、称える特集になったと思う。スライ・ストーンも同じボリュームで取り上げたかったが、悔しくも現時点ではこれが限界だった。(山崎洋一郎)

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https://rockinon.com/blog/yamazaki/212611
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