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ここで鳴らされているのは、傷ついた心が、朽ち果てた夢が、些細な日常が、他愛もない「言葉」によって殺され積み上がったむくろの吹き溜まりに吹く革命の歌だ。初のコンセプトアルバムでありながら、極めてamazarashiという存在の根源をえぐり出したかのような一作であり、秋田ひろむが紡ぎ上げた壮大な人間讃歌にして言葉のディストピア物語「新言語秩序」に続く新たな世界に確かな命を灯す。自身初の横浜アリーナ公演「電脳演奏監視空間 ゴースト」で描かれる物語のために書き下ろされた全12曲。繰り返し呟かれる《僕は大嫌い》という負のエネルギーをガソリンにしてわずかながらの希望を手繰り寄せようと懸命にもがく“君のベストライフ”が同公演の初報と共に鳴り響いたのは、amazarashiという存在を再び社会に投げ入れ巻き起こる摩擦によってこの世界のズレを、あるいは自身と世界とのズレを直そうと懸命に手を伸ばした証だ。amazarashiはいつだって本気で音楽で革命を起こそうとしている。だからこそ信じられる。(橋本創)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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